ついに発売! おめでとうございます!!
超ハードシュケジュール(シュケジュール)ですが、やーーーーりーーまーーすーーーよーーーー!!! 祭りじゃい祭りじゃい!!
というわけで、このへんの反省をふまえて『わかりやすく』第一に、今回は動画もご用意いたしました。
超ド級ファンが送る星野源さんの『ドラえもん』分析(コードもあるよ)!!! - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
星野源さんの言う「自分のダンスを踊って」の超ド級ファンの解釈、と『ポリリズム』の巻 - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
(※、当初はガチでYoutuber的な動画つくるつもりでしたが、それだと全曲やるのに半年くらいかかりそうなので、間とって『ブログを補完するための動画』つくりました。
これならみなさんもすぐ次の曲のが読めるし俺もデレステとかできるしウィンウィンでしょーー!!)
(※追記の追記、スーーーーンマセン忙しくてこのペースだと完結に1年くらいかかりそうなんで次回最終回です!!笑
ただ、ビギナーさん向けの初歩の初歩の初歩の楽理解説がカットになるだけで、それ以外はいつも通り&『肌』とか気合い入れまくってやるので少々お待ちください!!)
ではやりましょう!! 今回の主題は「"Pop Virus"はなぜ『洋楽っぽい』か?」です。めっちゃ洋楽っぽい!!
2018年10月のK-POPは10年に一度のアタリ月であったことを後世に伝えたい- グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
(動画のほうにも注釈出…す予定でしたが、勉強不足&スケジュールパッツパツなので学術的にまちがったこともいっぱい言ってます。
正確なことは、信用のおける方に課金しておべんきょうしてください、
当シリーズは『音楽を勉強することに二の足を踏んでいる人の背中を、バッツバツ叩きまくる』ために存在しています!!
オススメはやはり、例のアレを書いた菊地成孔さんの『ゼロからの音楽文法』。
(※、コレです👇
ヒルズライフ HILLS LIFE|もうオレは諦めた、もう星野源さんに頼むしかない——連載:菊地成孔「次の東京オリンピックが来てしまう前に」20)
「いやまずドって何?」のレベルから楽しくやさしく教えてくれます!!
ビュロー菊地チャンネル「ゼロからの音楽文法」 第2回 - YouTube)
1, 明るいあなたと暗いあなた
(『調/キー』ってなんだ?)
というわけでこの曲の分析をはじめるためには、まず『調』という概念を知るところからはじめなくてはなりません。
カンタンに言うと、『調/キー』というのは、ある音がイニシアチブ(主導権)を握っている音のならび(音階)のことです。
たとえば、誰でも知っている『ドレミファソラシド』という音階は、『ド』が主役であり、主導権を握っています。
楽曲中に登場するメロディーやハーモニーは、ほぼすべて『ド』の音に収束するように重力が設定されているのです。
『ド』こそがホーム、安定した響きをもつ『おうち』であり、それ以外の音はすべてドに帰ってくるべきだという世界なのです。
ド以外の、『レミファソラシ』の音はすべて『ド』の音を輝かせるために存在しており、
いうなれば『ド』の音が乗ったみこしを『レミファソラシ』たちが担いでいる、というような状況です。
ここでは『ド』が主導権を握っている例を出しましたが、ほかの11の音、たとえば『レ#』や『ラ♭』などなどなども当然イニシアチブを握ることができます。
さて、そんな『調/キー』概念ですが、実はコレ『明るいほうの調』と『暗いほうの調』の2種類あるんです。
『ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド』
いままで例に出してきた👆のような、ほがらかな響きをもつ音階のほうが明るい調です、『長調/メジャーキー』といいます。
ドの音は日本語で『ハ』、英語で"C"と呼ばれるのですが、そこからこの『ドレミファソラシド』という音階は、『ハ長調/Cメジャーキー』という名称で呼ばれています。
クラシックの曲のタイトルに『ハ長調』とついていれば、「この曲は『ドがイニシアチブを握っている、明るい音階』が使われているよ」ということがわかるようになっています。
そしてもう一方、悲しい方の音階ですが、『ド』がイニシアチブを握っている悲しい音階は以下!!
『ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド』
明るい音階が『長調/メジャーキー』というのに対して、こちら悲しいほうは『短調/マイナーキー』といいます。
こう、悲しいというか切ないというか、気分が塞がるようなというか、翳りを感じてしまう音階ですね…
と言いたいところなのですが、一見なんの共通点もないように見えるこの2種類の音階、じつはめちゃくちゃもめちゃくちゃ密接な関係にあるのです。
ここで再度ドレミファソラシド、明るい音階のほうに戻りましょう。
というわけでもったいぶれるだけの器量も時間もないので結論先に言いますね、この明るい音階のなかには、じつはさきほどの悲しい音階が紛れ込んでいるのです!!!
『ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド』
この中には、『ラ』がイニシアチブを握っている悲しい音階が潜んでいます。
ラの音は日本語で『イ』、英語で"A"なので、こちらの音階は『イ短調/Aマイナーキー』とよばれています。
『ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ』
という音階です。「えっ待って『ドレミファソラシド』並び替えただけじゃん!?!?」という方、ズバリ正解です!!
明るい音階である『ドレミファソラシド』と、悲しい音階である『ラシドレミファソラ』は、世界観を共有しているのです。
なんだろう、『平成狸合戦ぽんぽこ』と『耳をすませば』の世界は実は同じなのだというアレと同じかもしれませんね、
『舞台(使われている音階)は同じだけど、その舞台のうえで繰り広げられるストーリーは360°違う』というような…🎻🎻🎻
このことは、よく「どんな明るい人にも暗い一面はあるし、どんな暗い人にも明るい一面はある」と人間でも例えられます。
不可分なんです、100%明るいだけの人はいないし、100%暗いだけの人もいない。ふとした拍子に躁と鬱が入れ替わることは、生きていればよくあるふつうのことです。
それとまったく同じことが、音楽の世界でもあるという話でした。
メロディやハーモニーのちょっとした機敏で、直前まで明るい響きの世界の中にいたはずなのに、次の音で一気に暗くなったり。
まずは、『明るい音階のなかには暗い音階が潜んでいるし、その逆も真なり』ということだけ覚えていただければおっけ〜〜だと思います。
CRCK/LCKS(クラックラックス)3rdEP『Double Rift』(7/11Release)Official Teaser - YouTube
2, コード進行と枝雀理論、トリトヌスの起爆💣
そんなふたつの『調/キー』でしたが、『どの音がイニシアチブを握っているのか、一発で明確にするハーモニー』というものがあります。
それが『トリトヌス(英語でトライトーン)』、悪魔の音程と呼ばれていたハーモニーです。
鍵盤6枚分離れた箇所にあるふたつの音が同時に鳴らされたときに、悪魔がやってきます😈
一聴してわかるとおり、かなりドギツいハーモニー。
このトリトヌスは、さきほど書いた
「『ド(もちろんここに入る音は可変)』こそがホーム、安定した響きをもつ『おうち』である」というコトをより強調し、明確にします。
『ド』がイニシアチブを握っている世界では、『ファ』と『シ』のペアがトリトヌスコンビ。
この2音が同時に鳴らされたとき、『ファ』と『シ』は互いに「なんじゃこの響きキッツ!!!!😭😭😭」と磁石のように反発し、より美しく、安定した響きに解決しようとします。
より具体的に言うと、『ファ』は『ミ』に沈もうとし、『シ』は『ド』に登ろうとします。
ドはもう言わずもがな、ミもおうちのように安定した響きを持つ『おうち仲間』的な性質のある音。
イニシアチブを握っている音、もっとも安定していて美しい音が『ド』であることを強調するため、わざと不協和音をぶつけてみるわけです。スイカに塩かけるみたいな感じですね🍉
この、桂枝雀いうところの『緊張と緩和』の動作、
よりカンタンに言うと、この『不安定な状態が、安定した状態に移り変わる』という緩急が、コード進行/ハーモニーに、そして楽曲そのものに起伏や感情を付与しています。
コードネームで書くと
C → G7 → C
です。G7の構成音は『ソ・シ・レ・ファ』、Cは『ド・ミ・ソ』。
トリトヌスをもったキツい響きのコードが、イニシアチブを握っている音を持つ、安定した響きの『おうち』的なコードに解決することで緩急をつけています。
トリトヌスをもつコードが『職場』、安定した響きのコードを『自宅』と考えると、
「ハ〜〜今日も疲れた疲れた、早く家帰ってだらけたいわ〜〜〜☺️」な『不快→快』という、感情のドラマが生まれますよね。
この『山あり谷あり波乱万丈で緩急をつけ緩急をつけ、最終的に大冒険を経ておうちに無事戻ってくる』というドラマこそが、コード進行の本質です。
(つまり、「きりーつ、れー、ちゃくせーき」進行がこの世のすべてだということに……)
(そして、巷でよく言われる『和音/コード』というのは、「ふたつ以上の音が同時に鳴ることで生まれるハーモニー」のことです。
ふたつ以上の音が鳴っていればなんでもコードという認識で大丈夫です💪)
一方で、『ドレミファソラシド』のなかに潜んでいた悲しい音階、
『イ短調/Aマイナーキー』を強調するためのトリトヌスコンビはこちら、『レ』と『ソ#』です。
このハーモニーも、ファとシのときと同じように、「『ラ』と『ド』のハーモニーが、この音階でもっとも安定した響きである」ということを強調するためのもの。
こちらもコードネームで書くと
Am → E7 → Am
です。E7の構成音は『ミ・ソ#・シ・レ』、Amは『ラ・ド・ミ』。
メジャーキーとおなじように、トリトヌスをもったキツい響きのコードが、イニシアチブを握っている音を持つ、安定した響きのおうちコードに解決することで緩急をつけています。
そしてこちら、マイナー側のトリトヌスは『ドレミファソラシド』にはない音、『ソ#』を召喚することになるので、若干のサプライズ要素や独特の情緒感をもつコードである、ということもポイントです。
この「トリトヌスをどう使うか」が、音楽や楽曲を、明るい雰囲気にするか暗い雰囲気にするかのカギを握っています。
『ドレミファソラシ』という、C(=ド)メジャーキー/A(=ラ)マイナーキーの音階世界において、
『ド』の方へ向かうトリトヌスを召喚すれば明るい雰囲気を強調できますし、
『ラ』の方へ向かうトリトヌスを召喚すれば悲しい雰囲気を強調できます。
この打ち分け!! 使い分けこそ!! "Pop Virus"の妙であり革新性!!
そして星野源さんの巧みさと、彼が細野晴臣氏の正統な後継者であるという事実が、分析することでクッキリと浮き彫りになります!!!!
さーーーーーて、(来週のサザエさんは…???)
ここまで来て、やっと"Pop Virus"に切り込んでいくことができます。大変ながらくお待たせいたしました!! 音楽しましょう!!!
3, 星野源の革新性、
『メロディが笑い、ハーモニーが泣く』
星野源 - Pop Virus【MV】/ Gen Hoshino - Pop Virus - YouTube
以下が、この曲サビのコード進行の骨格です。
D△7 - C#m7 → Bm7 - Fº7 - F#m7 - F#m7 →
この曲のキーはAメジャー/F#マイナー、
つまり『ラの音がイニシアチブを握っている明るい音階と、ファ#がイニシアチブを握っている悲しい音階』の世界が主役になっています。
この曲を聴いたとき、みなさんは「明るい音階であるメジャー」と「悲しい音階であるマイナー」、
どちらの世界でできている(どちらの世界が強調されている)と思いましたか?
今回も時間がないので率直に申し上げます、
「メジャーだとおもった派」、「マイナーだとおもった派」、「わかんない派」、そして「両方ともじゃね…? 派」、全員正解です!!!
「ハア!!?!?!?!?😌😅😡」と思うなかれ!!
この曲は、本項タイトルどおり「メロディはメジャーで、そしてコード進行はマイナー」でできているのです!!!
まずはハーモニーから見ていきましょう。
D△7 - C#m7 → Bm7 - Fº7 - F#m7 - F#m7 →
このコード進行、明るいメジャー側の『おうちコード』である"A"も、ラへのトリトヌスをもつ"E7"も登場していません。
が、悲しいマイナー側のおうちコードである"F#m7"は登場し、そしてそのマイナーへ向かうトリトヌスをもつ"Fdim7"も登場しています。
(Fdim7の構成音は『ファ・ラ♭・ド♭(シ)・ミ♭♭(レ)』。
『ファ#』と『ラ』へ向かうためのトリトヌス『ファ』と『シ』をもっています)
コード進行はかなり明確にマイナー側に重心を置き、おうちとしていながら、しかしメロディは動画をご覧の通り&お聞きの通り、完全にメジャー側に重心を置き、おうちとしています。
ちなみにこのメロディ、星野さんのファンならばもはやおなじみかと思われる『ペンタトニック』という5音の音階でつくられています。
素朴でアジアンな香りがしたり、R&Bなどで多用されている音階です。
星野源 - 恋【MV & Trailer】/ Gen Hoshino - Koi - YouTube
この"Pop Virus"で見られる「メロディはメジャーだが、コード進行はマイナー」や、その逆のような音楽的構造はJ-POPではあまり見られず、
類例が多いのは、むしろ星野さんが愛してやまない『アメリカのR&B、ヒップホップ』といった音楽です。
この音階の『揺らぎ』。この揺らぎこそが、"Pop Virus"がJ-POPとして革新的な理由なのです。
戦後の日本人のポップスである演歌、フォーク、ロックなどは、どちらかといえば揺らぎを持たない音楽です。
構成上ほぼほぼ誘導尋問的にならざるを得ないのがいささか心苦しいですが、
これらのジャンルの曲を思い浮かべたときに、『明るい曲は突き抜けて明るく、暗い曲は突き抜けて暗い』というイメージはありませんか?
これは端的に、メロディとハーモニーのイニシアチブ・重心がほぼ合致しているからです。メロディがメジャーならハーモニーもメジャー。あるいはメロディがマイナーならハーモニーもマイナーというふうに。
楽しい曲は楽しく、悲しい曲は悲しい、と単純明解です。
(☝︎『メジャー&メジャー』、『マイナー&マイナー』の略デス)
ですが、単純明快にも長所と短所はあります。わかりやすく、直感的に誰でもすぐ楽しめますが、クールネスはありません。
人間関係や恋愛関係で考えるとわかりやすいと思うのですが、はじめて会ったときから100%その人のことが分かってしまうよりも、
「この人はどんな人なんだろう」というような謎や、想像する余地があったほうがその人に興味がわかないでしょうか。
音楽的な『揺らぎ』は、その想像する余地なのです。その余地が、単純明快な構造をもつ曲とはまた違ったタイプの深みを、楽曲の中にもたらしています。
この曲はR&B定番の"Just The Two Of Us"進行という、マイナー側を強調するコード進行でできている曲ですが、あまり悲しい響きがしているようには感じられません。
13, Just The Two of Us進行 - YouTube
理由はやはり、メロディーがメジャー側に重心を置いているからです。
このモード(音階)の食い違いや揺らぎが、楽曲の表情をより複雑にしています。
ただ笑ったり泣いたりしているだけではなく、笑いながら泣いたり、幸せなはずなのにさびしかったり、という繊細な感情の揺らぎの表現を可能にしているのです。
当初、"Pop Virus"を聴取したときに連想したのはこの曲でした。
構造はもちろん"Pop Virus"と同じ「メロディはメジャーだが、コード進行はマイナー」です。そして星野さんが愛してやまないチャンスがらみ…
(そしてそして、メロディはゴスペリックなペンタトニックづかい。
50000000000000%星野さんが好きなヤツですね)
15, Heaven Only Knows コード進行 - YouTube
星野さんが"Pop Virus"をはじめてラジオでかけたときに言っていた、「曲の『ヤバさ』だけを抽出したい」という言葉に思わず7度ほどうなずいてしまいましたが、
おそらくこの曲で星野さんが表現したかった『ヤバさ』の一端は、おそらくこの「メロディはメジャーだが、コード進行はマイナー」という構造も担っていると思います。
しかしながら、アメリカのポップスやR&Bではもはや「当然」とも言えるこの揺らぎは、J-POPではあまり聴くことができません。
Ariana Grande - The Way ft. Mac Miller - YouTube
この『揺らぎ』が日本のお茶の間に浸透し切らなかった理由については、過去👇などで書いてきたように、
『シナモン(都市と家庭)にみる、日米ポップスの調性感/モード感の差異』(コードもあるよ〜) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
すべての日本人へ。星野源さん『肌』の、あたらしいリズムへの挑戦(を超ド級ファンと読み解こうの巻) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
やはり『ものぐさ精神分析』冒頭で触れられているような複雑な事情が絡んでいるのではないと推察しますが、詳細はいつものごとく知りたい人だけ買って読んでください!! クソ長くなるので!!
そんな『揺らぎ』がなかなか国内に浸透しない中で、70年代当時から、現在の星野さんのように欧米諸国の音楽を咀嚼し、それらを美しく『日本人のポップス』へと昇華しているミュージシャンたちがいました。
もうみなさまおわかりの通りです。細野晴臣さんをはじめとした、『はっぴいえんど一派』と呼称できるような一団です!!
調やハーモニーに加え、リズムも揺らいでいます!! 選曲はなんとなく今聴きたいやつ!!(笑)
『風来坊』のクールさは、転調なども含めてのアレなのでモードのゆらぎだけじゃないんですが、突き抜けて明るくもなく、突き抜けて暗くもなく、色あせたポラロイドのような絶妙に深みのあるカラーに聞こえます。
『私自身』は重力が「揺らいでいる」というよりも、どちらかというと交互にスイッチングされているような感じですね。
最後の『蝶々-San』、ニューオーリンズの訛ったリズムを完全に身体化している林立夫さんのドラムスヤバい!!!!
本作"POP VIRUS"にも参加されている山下達郎さんの曲では、1976年のデビュー盤から。
Tatsuro Yamashita - Windy Lady - YouTube
1976年、まだまだ歌謡曲全盛の時代にここまでアメリカに肉薄できたのかという、畏怖の念を感じずにはいられなくなる1曲。
高度なハーモニー語法が、当時の日本人平均ではズバ抜けていたであろう山下さんのハーモニーの色彩感を物語っています。
星野さんの、『手近にある国内の音楽ばかりを聞いて消化するのではなく、外国の音楽も取り入れることで、よりよいもの、より作品として強度の強いものを作ろうとする姿勢』は、
完全に細野さんや山下さんのそれと同じであるということを、今回より強く理解していただけたのではないでしょうか。
できないのは…できないのは俺のせいだから!! 星野さん悪くないから!!😭
星野さんのつくる楽曲は、星野さんが好きなアメリカの音楽がそうであるように、そして何より星野さんの歌詞がそうであるように、『揺らぐ』ことを許容します。
ひとつの規範のなかに縛られ、ズレることが許されず息苦しい日々を送っている人々にとって、
この日本のド真ん中で「人と違ってもいい、間違えてもいい、自分のダンスを踊ろう」というメッセージを発信しつづけている星野さんの言葉や音楽は、まさしく福音であると思います。
アーティストからリスナーへのメッセージは『歌詞から』のみ読み解けると思っている皆さん!!! ぜんぜんそんなことないですよ!!!
楽曲の構造まで踏み込めば、歌詞読んだだけじゃわからないことまでクッキリわかります!!
そのことを、そして「音楽理論ちゃんと勉強したら面白いんだ」っつーことを、身を呈して俺が証明してみせます!! たぶん!!!(笑)
というわけで今回から、POP VIRUSの楽曲群を題材に『揺らぎ』や『ズラし』など、星野さんの楽曲のもつポップさとオルタナティブさ、そしてJ-POPとしての異質さと自由さについて、僭越ながらみなさまにご紹介させていただきたいと思います。
何日…何日かかるんかなァ完結まで………でも100曲あろうがぜんぶやるよ、きっと今ジューンリーさんも頭抱えてるよ…
未来の音楽家、未来の星野源フォロワーのみなさん、そして音楽やるわけじゃないけど音楽を勉強してみたいと思っているみなさん、そしてそんなことどうでもいいみなさん!!
一緒にデケー花火打ち上げましょうや!!! イヤちょっと待てなんだこの煽り!!!(笑)
星野さんと一緒に一歩踏み出しましょう!! 『ズレる』ことを恐れず、自由と解放のために踊りましょう&学びましょう!!
みなさんがその一歩を踏み出すために、背中をペシペシ押すことが、今の俺にできる唯一のことなので!!
そんなこんなでPOP VIRUS間違いなく名盤なので、ぜひぜひ買ってくださいね〜〜〜よろしければラストの"Hello Song"までお付き合いください、それではまた次回!!
いい音楽をたくさん聴くためのいちばんてっとり早い方法は、何よりもまず『自分の耳を鍛えまくる』ことだと思いますよ〜〜!!👏👏👏
4,まとめ〜〜〜
「"Pop Virus"はなぜ『洋楽っぽい』か?」
→アメリカのR&Bなどで見られる、メロディとハーモニーの重心が『ズレた』構造をもつから。
そして文章の流れ上書く場所がなくなったのでケツのケツに書きます、本筋とは関係ないけど触れておきたかった箇所です。
・Aメロ、「美しくクルクル」の歌詞が「オッ決まってんね〜〜☺️」感あってサイコ〜〜〜
・「病気」「咲くように」のライミングに、星野さんのヒップホップへの憧憬がみてとれますね。「ラップに節がついたやつ」。
・一度だけ出てくるBメロの「音楽だった」の箇所、実はここでメジャー側へのトリトヌス(もどき)が登場するので、メロディとハーモニーの重心がこの箇所で合致します。
星野さんのJ-POP的センスとR&B的なセンスのバランスが、ここで美しく均衡するのです。それによって、J-POP的な耳でも楽しめるようになっているという…。う〜〜ん妙…
超ド級ファンによる星野源さんのPOP VIRUS特集/分析、残る13曲をいっせいに聴く最終回!!!!!! - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
※、そして最終回へつづく…
<勝手に関連記事のコーナー>
・ジャズ/R&B初心者にも最高の入門盤、オーニソロジー1stアルバム"101"を全力でほめちぎるの陣(コード進行・譜面もあるよ) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
『ジャズ星野源』こと『塩顔メガネイケメン男性ジャズシンガー』ことオーニソロジー先輩のアルバムも今月発売なのでした。
2018年、POP VIRUSがオモテなら"101"はウラなので、POP VIRUS好きな人はこっちもオススメです!!
星野さんが好きなネオソウルとかR&Bの入門盤にもうってつけですよ〜〜
・SPANK HAPPY"夏の天才"歌詞・コード進行ききとり&"GREAT HOLIDAY"へのおさそい - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
そして菊地成孔さん(…によく似たフゴフゴ)のユニット"FINAL SPANK HAPPY"もぜひ!! 曲最高だし、上のオーニソロジーセンパイのプロデュースもやってます!!
浜本談子 (@odoroktamegoro) | Twitter
サイトごあんない(ブログ内のカテゴリ一覧) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
そして今回から「分析するのはいいがオマエは信用するに足る人間なのか」というニーズにお応えする形で、これも併記しておきます。
曲ができたのでデモをのせましたの巻 - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
言っちゃこの曲も「メロディはメジャーだが、コード進行はマイナー」っスね…ジャンルは何になるんだろう、「チャラポリリズムR&B」とか…?(てきとう)