- まずはコード譜
- 新しいお源がたくさんだいのイントロ部分
- イントロと似てるけどひねりが効いてるよのAメロ部分
- ほぼイントロだよのサビ部分
- Septemberにくいよのサックスソロ
- くりかえしだけどむちゃ動き始めるぜの2番
- 涙涙の転調祭りだエッサッサのCメロ
- 盛り上がれ〜〜〜〜〜のラスサビ(とエンディング)!!!!!!
- おつかれさまでしたの最後のまとめ
- 個人的な2020年のふりかえり
あけましておめでとうございます、2年ぶりですね。やります!!!!!!!!!
その前にとりいそぎ、前回更新したこちらの記事を、分析美学者のナンバユウキさんにご選出いただき大変ありがたいことに『はてなブログ大賞2020』に入賞いたしました。ほんとうに素晴らしい選評も添えていただき、波乱万丈奇々怪々の2020年もおかげさまで嬉し涙涙の年の暮れと相成りました。誠に不躾ながら、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
「これ読んだ人の何%が『イテヨンさん、アイマス換算(アイマス換算)だとどう考えても天海春香さん以外ありえないよな‼️』に同意してくれるんだろうか?」と考えるにつけ、こんなことになるのであればNCT 2020ポプマス説なぞ唱えなければよかったなと物思う2021年ですがそんな本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
また、選出してくださったナンバユウキさんの分析美学者としての活動もたいっっっっっっっっっへん、たいっっっっっっっっっっっっっへんに面白く、いま池田エライザ氏主演ドラマの主題歌を担当し爆売れ道を邁進している浦上 想起さんの楽曲の魅力を分析した記事や、
ズバリ『音楽の哲学にはどのようなトピックがあるのか』、それからファッションやVTuberに関する論考まで、アカデミズムをもってポップカルチャーなど多岐にわたるあれこれを分析しておられます。
当ブログにご興味をもっていただいた皆さまであればきっと興味深い内容ばかりだと思います、ぜひナンバさんのブログなどもご一読いただけましたら幸いです!!
ナンバユウキ (@deinotaton) | Twitter
というわけでこの時ぶりです。やりましょうねぇ…………
いや〜〜〜『うちで踊ろう(大晦日)』よかったっスねぇ〜〜〜〜〜………………………… まず追加された歌詞が良かった………………(「俺とお前で」じゃないんだ…と思ってしまったが冷静になると俺とお前じゃなくて心底よかった)。どことかじゃなくて全部なのよ…………………………………………
そしてCメロからサビにかけての転調祭り!!!!!!! これはもうカンペキに新・星野源よ!!! いままでの星野源ソロにはこんな要素なかったもんな!!!!! 完全にSame Thing以降のタームよこれは!!!! 乗るしかねぇのよこのニューウェーブに!!!!!!!!!!
2020年はド有名どころで言うとうちで踊ろうとダイナマイトと"2集: NCT #127 NEO ZONE"と"NCT 2020: The 2nd Album RESONANCE"以外ほぼ記憶が飛んでるというイチ音楽ファンとして苦難の1年でしたが、
最後の最後にエゲツない場外ホームランをカッ飛ばされ「2020年はうちで踊ろうだけでいいな!!!!!!!!!!!!!」という気持ちになりました。同時にこれからの星野氏の音楽活動の針路も見えたようなすばらしい一発だと思います。
そんなこんなで、2020年の紅白歌合戦で演奏された『うちで踊ろう(大晦日)』のコード譜を、星野さんが書いてくれた譜面を参考にしつつ、足りないところは耳コピで作ってみたのでまずはそちらをご覧ください。
まずはコード譜
【NHK紅白】星野源『うちで踊ろう(大晦日)』フル・バージョン
[Intro] 0:33~
C△9 - B7 → Em9 →
C△9 - B7 → Em9 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
C△9 → F7(#11) →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
Am7 - Bm7 → F7(#11) →
[A] 1:04~
C△9 → B7 → Em9 → G7 - Db7(#11) →
C△9 → B7 → Em9 → G7 →
Am7 - Bm7 → F7(#11) →
[B] 1:23~
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
C△9 → F7(#11) → ×2
[Sax Solo] 1:54~
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
C△9 → F7(#11) → ×2
[A] 2:24~ →
[B2] 2:43~
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
C△9 → F7(#11) → ×2
C△7 - Dm7 - F#7(#11) →
[C] 3:16~
F△7 → Em7 - A7 → Ab△7 → Gm7 - C9 →
F△7 → Em7 - A7 → Ab△7 → Gm7 - C9 →
Fm7 → Bb9 - Eb - E7 →
[B3] 3:35~
D△9 - C#7 → F#m9 - A7 →
D△9 - C#7 → F#m9 - A7 →
D△9 - C#7 → Em7 - A7 →
D△9 → G7(#11) → ×2
[Ending] 4:06~
D△9 - C#7alt → D△9(13)
星野源が作詞作曲した「うちで踊ろう」の楽譜ができました!
— 星野源 Gen Hoshino (@gen_senden) 2020年4月4日
皆さんどんどん弾いて、アレンジして、歌って動画をアップしてくださいね。#うちで踊ろう #星野源https://t.co/fyYxaEqrXP pic.twitter.com/PzUAjWm13I
実際に動画中でバンドが演奏しているのはもう気持ち程度テンションついてたりするコードなんですが、すでにこの譜面に掲載されている箇所(Cメロとエンディング以外のところ全て)は譜面と同じ表記に揃えました。
(とはいえ本当に気持ち程度違うだけなので、大晦日バージョンをもとに弾き語りしたい! という場合でもこのままのコードで弾いてまったく問題ないと思います!)
「それではさっそく」……と分析をはじめる前に、音楽理論をいっさい知らない方が読んで「なるほどね!!!!」となっていただきたいがためにここで予備知識をたくさんさらってみる予定だったんですが、
いかんせん星野さんのコード使いが巧みすぎて、ガチの初歩の初歩からやるとなるととても1記事分で消化できるテキスト量じゃなくなってしまいそうなので断念しました………。が、それとなくそれっぽい感じのことをアナライズ中に組み込んでみました!!!
2年前に書いたやつで若干目も当てられない感はありますが、これら過去記事かあるいは、去年pixivFANBOXに書いた初歩初歩ポピュラー和声の記事(100円ですげーいっぱい読めます)をそれとなく参照してください。それではいきます!!!!!
"Pop Virus"はなぜ『洋楽っぽい』か? (超ド級ファンとPOP VIRUSをほめまくろう分析1曲め、コード進行もちょっとあるよ!) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
超ド級ファンによる星野源さんのPOP VIRUS特集/分析、残る13曲をいっせいに聴く最終回!!!!!! - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
新しいお源がたくさんだいのイントロ部分
[Intro] 0:33~
C△9 - B7 → Em9 →
C△9 - B7 → Em9 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
C△9 → F7(#11) →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
Am7 - Bm7 → F7(#11) →
キーEm/Gですね。「………何をいきなり……?」という感じですが、
とどのつまりこの曲が「ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ」という、『ミに重心が来る、暗い音階』を基盤にしてできている曲だということがこのコード譜からみてとれます。楽譜だとはしっこに#が一個ついてくるやつです。
ほとんどの方が「………なんでそうなった???」と思われたと思いますのでどういうことなのかと申しますと、
曲をつくる際、ほとんどの作曲家が「メロディを「ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ」の中の音から選んで作るんだったら、ハーモニーも『ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ』の中の音から作れば良くないスか?」という思考になります。
では実際に、どのようにハーモニーが構築されていくかといいますとこれはきわめて単純、この音階の中の音を一個とばしで順に積んでいくだけです。
たとえばミを一番下の音にすると決めたら、次の音はいっこ飛ばしでソ、その次の音もいっこ飛ばしでシ、最後にいっこ飛ばしでレ、
ミ・ファ# ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ
ミ・ソ・シ・レ、というコードが出来上がりました。これにコードネームをつけるとEm7になります。
これと同じ手順で、「ファ#を一番下の音に、ソを一番下の音に、ラを一番下の音に…………」というふうに繰り返していくと、
Em7・F#m7(b5)・G△7・Am7・Bm7・C△7・D7 (・Em7)
と7つのコードが生まれます。このようにしてできたコードをダイアトニックコードといい特には覚えなくてもアレなんですが、コード譜を見てみるとこの曲がこれらのコード群を中心にまわっていることがわかります。
ともかくこの中においてはEm7が一番偉く、『うちで踊ろう』の曲中世界においてはこのEm7がいちばん重要なのです。
で、この「この曲ではEm7が世界の中心なんだぞ〜〜」ということ一発で示せるコード進行が、この曲で無限に連打されているB7 → Em9というコード進行なのです。
なんでそういうことになるかは過去これのどっちかで「トリトヌス (トライトーン)」だとか書いてるのでそれを山椒…もとい参照してください!!!!!!!!!
"Pop Virus"はなぜ『洋楽っぽい』か? (超ド級ファンとPOP VIRUSをほめまくろう分析1曲め、コード進行もちょっとあるよ!) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
超ド級ファンによる星野源さんのPOP VIRUS特集/分析、残る13曲をいっせいに聴く最終回!!!!!! - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
と、コードネームの書法をご存知ない方はついつい「え〜コードってなんか難しそ〜………」と距離感が決まりがちになってしまいがちだと思いますが、結局のところほとんどのコードがこんな感じでただ単に音階を「いっこ飛ばし」してつくってるだけなので、慣れてしまえばそんなに複雑じゃなかったりします。慣れてしまえば………
Em7・F#m7(b5)・G△7・Am7・Bm7・C△7・D7 (・Em7)
これらのコード間の音程を相対化すると、
VIm7・VIIm7(b5)・I△7・IIm7・IIIm7・IV△7・V7 (・VIm7)
というふうに当ブログなどでよく見る形になります。
というわけで↑のスピード感でやってるとタヒむので以下よりポピュラー和声だいたい分かってる前提で進みますね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(おもしろそトピックは血涙流しつつ頑張って盛り込んだつもりなので最後まで読んでください!!!!!!!!)
[Intro] 0:33~
C△9 - B7 → Em9 →
C△9 - B7 → Em9 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
C△9 → F7(#11) →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
Am7 - Bm7 → F7(#11) →
このコード進行をG△7をI△7としてディグリー化するとこうなります👇 ノンダイアトニックに着目してアナライズします(マイナー側をImにしてディグリーにするのあんま好きじゃないので)
[Intro] 0:33~
IV△9 - III7 → VIm9 →
IV△9 - III7 → VIm9 →
IV△9 - III7 → Vm7 - I7 →
IV△9 → bVII7(#11) →
IV△9 - III7 → VIm9 →
IV△9 - III7 → VIm9 →
IV△9 - III7 → Vm7 - I7 →
IIm7 - IIIm7 → bVII7(#11) →
III7はVIm9へのセカンダリードミナントですが 、この曲はキーEmなのでセカンダリードミナントというより正格のV7 → Imですね。
星野さんのひきかたり譜面だとB7 → Em9と書かれてますが、実際に大晦日バージョンでバンドが弾いているのはB7alt → Em11とかのほうが近いです。源さんソロでドミナントモーションをここまでジャズっぽくテンションコード化してしまうのは完全にPOP VIRUS以降というかAin't Nobody Knows以降っぽいサウンドで完全に涙涙です。泣くのが早い。
また3周目のIV△9 - III7 → Vm7 - I7 (0:56~)、Vm7 - I7 自体はIV△7への二次ケーデンスで「星野源これ使わずに曲書けないんじゃね?????」となるぐらい星野さん曲には頻出のやつですが、
超ド級ファンが送る星野源さんの『ドラえもん』分析(コードもあるよ)!!! - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
問題はその手前で、III7からVm7に雪崩れ込んでるところ、ここがもう隠しきれない星野源感にファン僥倖という萌えポイントなんですよコード進行B7 → Dm7が!!!!!!
上記したように、本来はIII7ってVIm7に進行しなきゃマズく (トートロジーですが、本来III7はVIm7に進行するためにわざわざダイアトニック外から召喚されるコードなので)、
ふつう、というかありがちなパターンだとこの曲のようにIV△9 - III7 → VIm7 → Vm7 - I7、てな感じでVIm7から全音平行移動させてVm7に持っていくはずなんですが、
Grover Washington Jr. - Just the Two of Us (feat. Bill Withers) (Official Audio) - YouTube
VIm7をすっ飛ばしていきなりIIIからVImに持っていくの、実は『くだらないの中に』とかでも使われている進行で(「髪の毛の匂いを 嗅ぎあって」のところ)、
理論的にはそこそこ破綻してるためJ-POPだとあまり聴けない、けっこう星野源シグネチャーな進行なんですよね…………(ジャズのスタンダードとかでたまに見るのでそのへんからの手グセ的影響なのかなと思います)
そして最後のIIm7 - IIIm7 → bVII7(#11) (1:01~など)ですが、このIII7というコードを、「トライトーンサブスティテューション!!!!!!!!!(CV.津田健次郎がいい)」化するとbVII7になり、やってることはIIm7 - IIIm7 → III7と変わりません。
(トライトーンサブスティテューション、厨二っぽい名前ですが超簡潔に説明すると、「III7とbVII7、同じトライトーン持ってるしこれお互い代替可能なんじゃね?」という理論)
が、星野さんの作った曲でbVIIのリディアンb7のこんなエゲツないサウンド聞いたことがなく、インスタではじめてこの曲を聞いたときここでめちゃくちゃ興奮しました。字面だとさも俺がエゲツない変態かのように読めますがそういう意味ではないです。
Fリディアンb7、という音階をいっこ飛ばしするとこのコードが生まれるんですが、これは近代フランス・ジャズ・ボサノバなどなどで多用される音階で、近年のJだと田中秀和さんという作曲家がめちゃくちゃシグネチャー化させているような印象です。
と言いつつこちらは井上拓・ゴッドさんの曲ですが、リディアンb7の超やベーサウンドが聞ける星野さん好きそうなアイマスのやつ。0:22~や1:31~、1:38~、1:45~などがこのリディアンb7全開のコード。
田中さんのリディアンb7使いについてはいちばん上でリンク貼ってる前回記事でちょっと書いてます。
2020年頭に聴いたアニソン、J-POP、K-POP(コードもあるヨ) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
というわけでここでイントロ終わり! ですが基本はこのIV△9 - III7 → VIm9進行を軸にできている曲なので、実質ここまでできたらあとはもののついで………でもないかCメロあるもんな……………
しかしながら以前Pop Virusの回でも書いたように、このようにひたすら同じコード進行を繰り返すようにして作る曲は、コードをバリバリ変えることで盛り上がりを生むJ-POPタイプというよりかは、
R&Bやヒップホップといった、同じコード進行を繰り返し使うことで盛り上がりを生む洋楽(…という言葉は雑すぎますが) タイプの楽曲だと言えると思います。Cメロの展開まで含め、近年の星野さんの音楽的嗜好の、いちばん最上級のものが出ているな〜〜〜といち超ド級ファンとして思いました。
イントロと似てるけどひねりが効いてるよのAメロ部分
【NHK紅白】星野源『うちで踊ろう(大晦日)』フル・バージョン
[A] 1:04~
C△9 → B7 → Em9 → G7 - Db7(#11) →
C△9 → B7 → Em9 → G7 →
Am7 - Bm7 → F7(#11) →
[A] 1:04~
IV△9 → III7 → VIm9 → I7 - #IV7(#11) →
IV△9 → III7 → VIm9 → I7 →
IIm7 - IIIm7 → bVII7(#11) →
パッと見イントロと同じように見えますが、「さすが2010年6月23日にド傑作『ばかのうた』でソロデビューしてから無事10周年を迎えただけのことはあるわね…」というぐらいの2010623回転半ヒネリが効いてます。だって……今もう日本でいちばん「日本!!」コール似合うじゃん………?? もうそんなん泣くじゃん………?????
[Intro] 0:33~
C△9 - B7 → Em9 →
C△9 - B7 → Em9 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
C△9 → F7(#11) → ×2
イントロとAメロ、使っているコード自体はだいたい同じに見えますが、じっくり聴くと「コードが鳴らされている時間」が変わっていることに気がつきます。
イントロでは、リズムが「いち、に、さん、し、」と2拍おきにコードチェンジしていたのが、Aメロでは「いち、に、さん、し、に、に、さん、し、」と4拍おきのコードチェンジに変わっています。ここがミソ!!
鳴らすコードそのものはイントロと同じになっていて馴染みがありますが、それをそのままイントロと同じように鳴らしただけではリスナーに飽きられてしまう可能性があります。
もちろん理由はそれだけに留まらず他にもいろいろあるとは思いますが、ゲンホシノの我々リスナーへの多大なるサービス精神により、そのコードを鳴らすリズムをイントロの倍に変えることで「あれ? イントロと似たようなハーモニーだけどなんか違う……?」というフックを生み、あたらしい展開を作っているのです。ここがうまし!!!!!!!!!!!!!!(柏手の安)
というわけでコードのアナライズに戻ります、C△9 → B7 → Em9、まではイントロでやりました。つづくG7 - Db7(#11) (1:09~)、これこそトライトーンサブスティテューション!!!!
G7は上でも書いたとおり、C△7に向かうための二次ドミナントですが、そのG7をトライトーンサブスティテューション化したものがDb7(#11)です。
上のミラーボール・ラブのコードと同じ#IV7(#11)。このふたつのコードは、構成音のうちシとファというトライトーンの2音を共有しているのでおたがいを交換しても大丈夫なんじゃね? という理屈。
Am7 - Bm7 → F7(#11) (1:19~)、はイントロからAメロへの流れと同じですね。ちゅーわけでサビのBパートへいきます!!!!!
ほぼイントロだよのサビ部分
[B] 1:23~
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
C△9 → F7(#11) → ×2
[B] 1:23~
IV△9 - III7 → VIm9 - I7 →
IV△9 - III7 → VIm9 - I7 →
IV△9 - III7 → Vm7 - I7 →
IV△9 → bVII7(#11) → ×2
ちゅーわけでイントロのそれとほっっっとんど同じ形のためコード的には特に何も言えなくなりました。
星野さんの譜面だとAメロ(というかヴァース)からサビに移るとき"F/G"になってますが、大晦日バージョンではF/Gは一度も出てこずセクション移る前は毎回F7(#11)で統一されてます。
ハーモニーからアナライズできることがあまりなくなったので脇道に逸れますが、この曲はEmに重心が来る、やや暗めでクールなコード進行になっています(コードだけ見るとさながらトムミッシュ)。
しかしながら「暗いコード進行使ってるなら、なんでこの曲微塵も暗いようには聞こえないんだ?」となりますよね。理由は単純明快で、コード進行こそマイナーになってるんですが、メロディはこういう↓明明朗朗なメジャーペンタトニックを使ってるからです。
メジャーペンタトニックそのものはジャンルを問わず様々な音楽で使われている音階ですが、星野さんの使い方は、特にこのような演歌や童謡などのそれに近く、
個人的には『アイデア』で完全に確立されたと思っている、「コードやアレンジはジャズやネオソウル、フューチャーベースのように日本人に耳馴染みのないものに、しかしかならずメロディは日本人に耳馴染みのあるメジャー(ペンタトニック)に…」というバランスの取り方をこの曲でもしている…………………ような気がします。
具体的にどういうことが起こっているかなど、理屈に関してはここに書いてあるはずなので(キツくて読み返せない)、気になる方はこちらでチェックしてみてください。
"Pop Virus"はなぜ『洋楽っぽい』か? (超ド級ファンとPOP VIRUSをほめまくろう分析1曲め、コード進行もちょっとあるよ!) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
これは「コードはむっっっちゃくちゃ凝っているにも関わらず、途中までメロディには『ドレミ』の3音しか出てこない」という曲なんですが、
Elis Regina & Tom Jobim - "Aguas de Março" - 1974 - YouTube
こんな感じで、どれだけコードをジャズやネオソウルのように凝りに凝ったものに近づけようとアレンジをオルタナティブなものにしようと、メロディをメジャーペンタトニックにさえ固定してしまえば、ある程度までの『J-POPらしさ(というか耳馴染み)』は担保できるのでは……? という風に思います。
Same Thingとかたぶん今そこのさじ加減でいろいろ遊んでるんだと思います星野さんは………………だから結局やっぱ永遠に源の手の上よ!!!!!!!!!!! 永住の地なのよ星野源の手のひらの上!!!!!!!!!!!!
Septemberにくいよのサックスソロ
[Sax Solo] 1:54~
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
C△9 → F7(#11) → ×2
[Sax Solo] 1:54~
IV△9 - III7 → VIm9 - I7 →
IV△9 - III7 → VIm9 - I7 →
IV△9 - III7 → Vm7 - I7 →
IV△9 → bVII7(#11) → ×2
ソロのところもぶっちゃけイントロとサビのコピペなので新しくアナライズできる箇所、ありません!!!!
が、アドリブなのかどうなのかソロの中でこの曲のサビが奏される瞬間があるうえ、「この曲ってEW&Fの"September"を参考にしてるんだ〜〜!」的な言説をたまに目にするので比較してみることにします。正直似てるっちゃ似てますが似てないっちゃ似てないのですげえ微妙なラインっスよこれャァ………………!!!!!
Earth, Wind & Fire - September (Official Video)
「パーリラパーリラ、パリラパーリラ」のところのコード進行がこんな感じです👇
IV△7 - IV△7 - IIIm7 - IIm7 → IIIm7 - VIm7 →
IV△7 - IV△7 - IIIm7 - IIm7 → IIIm7 - VIm7 →
IV△7 - IV△7 - IIIm7 - IIm7 → III7 - VIm7 →
bVII△7/I → bVII△7/I →
『うちで踊ろう』のサックスソロはこんな感じです👇
IV△9 - III7 → VIm9 - I7 →
IV△9 - III7 → VIm9 - I7 →
IV△9 - III7 → Vm7 - I7 →
IV△9 → bVII7(#11) → ×2
アーーーーウーーーーン………………まあ似てる………かな………………????
1小節めでIVからIIIに降りて、2小節目にVImを踏んでるところは同じですね、ディティールは違うとも言えますが基本の大枠は共有してるといえ………。6小節めのIII7はまあ同じと言えなくもねーーーーー………………………………………
………と思ったけど弾いてんの「バーーディヤーー!!!!!」だからパーリラパーリラんとこと比較しても意味ねーーーーー!?!?!?!?!? (でもバディヤんとこは1小節めがIIm7 -V7になるだけで2小節めまるきり同じ、ので結局そんな違うわけでもない………)
あとサビじゃないですが、セプテンバーのサビ入り前とかの「(テッテッテッレーテッテッテッレー)」みたいなとこで鳴ってるコードは、大晦日バージョンじゃないオリジナルのほうのサビ前のコードと同じbVII/I (I7sus4)です。まあ………じゃあそこそこ似てますね………………(手のひら返し)
というわけでコード進行ばかり論じてますが武嶋さんのサックスソロカッコいいです、2:03~のペンタ登るやつとか………。1:53~の視線誘導も自然で痺れるネ……………とにかく全員が全員常に楽しそうで拝めるだけで僥倖です。
星野さんのおかげで石橋さんを地上波で拝めることにさして驚かなくなってきましたがそれもまあ贅沢な話だ……(あの石橋英子氏のセーラー服姿が拝めるのはNHK『おげんさんといっしょ』だけ! 無限の住人のサントラ仕事ヤバかったです)
くりかえしだけどむちゃ動き始めるぜの2番
[A] 2:24~ →
[B2] 2:43~
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Em9 - G7 →
C△9 - B7 → Dm7 - G7 →
C△9 → F7(#11) → ×2
C△7 - Dm7 - F#7(#11) →
Aメロ部分はまるきり1番のくりかえし。歌詞がね…………よかったよね…………☺️☺️☺️
あとこの部分に限った話じゃないんですが、この曲というかこの大晦日バージョン、BPM125のクリック聴きながら演奏されてます。耳コピしたときは驚きましたがある程度オンタイムで進行させようと思ったらドンカマ必須ですね…。
Bパートは1番と若干の差がついてます。根幹の部分は1番の流用ですが、その最後に1小節、短い間奏のような歌のない部分が付与されていて、ここからがすっっっっっっっげえ重要なので気合入れていきます。C△7 - Dm7 - F#7(#11) (3:14~)、というコード進行の部分ですね。
今までは、「ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ」という「ミに重心のある暗い音階」に基づき、ここから
Em7・F#m7(b5)・G△7・Am7・Bm7・C△7・D7
という7種類のコードをつくりました。いま登場した、C△7 (構成音→ ド・ミ・ソ・シ) もこの中にあるのがお分かりいただけると思います。
では、その次のDm7 と F#7(#11)はいったい全体どこから来たものなのか? それを明らかにするため、一足先にCパートのコードを見てみることにします。
[C] 3:16~
F△7 → Em7 - A7 → Ab△7 → Gm7 - C9 →
F△7 → Em7 - A7 → Ab△7 → Gm7 - C9 →
Fm7 → Bb9 - Eb - E →
C△7 - Dm7 - F#7(#11) のあとは、F△7 → Em7…と続いていることがわかります。ここは少しばかり音楽の知識が必要ですが、ズバリ「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」という、「ドに重心のある明るい音階」に、楽曲がズバン!!!!!!!!
いや転調したことに気がつかせないで転調したのでズバン!!!!!!!!というよりヌルン!!!!!!!!!と移動したのです!!!!!!!!!!!!!!
楽曲のメロディやコードを形成していた音階が、
「ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ」
から👇
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」
に変わった!!!
この「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」からダイアトニックコードを作ると、
C△7・Dm7・Em7・F△7・G7・Am7・Bφ
と驚き桃の木で、なんと先ほどのコード群の多くが現れるということが見てとれます。
C△7 - Dm7 - F#7(#11) →
[C] 3:16~
F△7 → Em7 - A7 → ...
というわけで、このようにメロディやコードを形づくっていた音階がズバン!!!! やヌルン!!と変わってしまうことを、音楽用語で「転調」といいますズバヌルン!!!!
転調するための一番ラクな方法は「転調先のトライトーンを持っているコードを先に鳴らしちゃう」というもので(という言い方をすると参考曲を出すのがめちゃくちゃ忍びない)、これはすごい簡単に言うと転調したいキーのV7をズバンと召喚するってことなんですけど、
これの11:13~のところで「転調するぞ転調するぞウォーーーー!!!!!!!」って感じになるのわかりますかね………?
これはもともとのキーからみて半音上に転調してるんですが、もともとのキーのV7を鳴らしたあとで、
さらに11:13~に半音上のキーにおけるV7を鳴らして「半音上に転調するからなーーいくぞいくぞーーーーー!!!!!!」と予告してるからです。
しかしながら『うちで踊ろう(大晦日)』のこの部分ではそういった予告コードは使われておらず、
もともといたキーのダイアトニックコードと、転調先のキーのダイアトニックコードのあいだで共通するコードを軸とすることでスムースに転調を成功させています。
↓ 元いたキーのダイアトニックコード
Em7・F#φ・G△7・Am7・Bm7・C△7・D7
↓ 転調先のキーのダイアトニックコード
C△7・Dm7・Em7・F△7・G7・Am7・Bφ
「えっここ転調なんかしてたの!?」という方もいらっしゃると思いますが、このように「いくぞいくぞーーーーー!!!!」せずヌルンと、誰にも気付かれないような隠密さでもって転調を試みていたわけですから、ある意味気がつかなかったほうが星野氏の意図通り、ということになるのかもしれません(※個人の感想です)。
そしてB2パートの最後のコード、C△7 - Dm7 - F#7(#11) (3:14~)ですが、これは転調先のキーCにおけるIV△7 = F△7、への二次ドミナントのトライトーンサブスティテューション!!!
なのでイントロやAメロのところで説明したリディアンb7をここでも再度使っている、というわけです。というわけでここから個人的にはaiko氏の『あの子の夢』ぶりにショックを受けた、真に新しい星野源による転調祭りがはじまっています!!!!!!
涙涙の転調祭りだエッサッサのCメロ
【NHK紅白】星野源『うちで踊ろう(大晦日)』フル・バージョン
[C] 3:16~
F△7 → Em7 - A7 → Ab△7 → Gm7 - C9 →
F△7 → Em7 - A7 → Ab△7 → Gm7 - C9 →
Fm7 → Bb9 - Eb - E →
[C] 3:16~
IV△7 → IIIm7 - VI7 → bVI△7 → Vm7 - I9 →
IV△7 → IIIm7 - VI7 → bVI△7 → Vm7 - I9 →
スイマセン書いてるのが深夜2時なのでそういうテンションになってしまいました。
そんなこんなで[B2]パートで、メロディやコードをつくる音階が「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」に変わりました。これによって、おもに楽曲を形づくるダイアトニックコードも、
C△7・Dm7・Em7・F△7・G7・Am7・Bφ
へとしっかり変化。最初のF△7 → Em7 (3:16~)は、この中のコードがそのまま出ています。
それで、いきなりその次で「A7なんてこん中にないじゃないか〜〜〜騙しやがってクソが〜〜〜」という感じですが(どういう感じ?)、このA7、実はダイアトニックであるDm7へトライトーンをぶつけるセカンダリードミナント。
そのため我々の耳は、音楽理論を知っていようと知らなかろうと、これまで音楽を聴いてきた経験則で「A7が鳴った時点あとはほぼ間違いなくDm7が来る」と予測しています。いますが!!!!!!!!
星野源!!!!!!!!!! ダメだ2時だから唐突な限界感情を抑えられない!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「Dm7が来るだろう」と我々に予測させますが、そのあとに来るのはダイアトニックコードですらないAb△7 とかいうコードです。なんだこれは!?!??!?
この時間帯になると自分で「なんだこれは!?!?」とか言ってるのキツくなってきたのでそそくさと正解書きますが、いままでは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」、「ドに重心がくる明るい音階」を使っていたわけです。
このAb△7 は「ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド」、つまり「ドに重心がくる暗い音階」からやってきたもので、これはつまりほんの一瞬だけまた転調している、という言い方もできる音使いです (これだけ一瞬だと「一時転調した」が精一杯の言い方ですが)。
「ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド」、からダイアトニックコードを生成すると、
Cm7・Dφ・Eb△7・Fm7・Gm7・Ab△7・Bb7
となり、しっかりと問題のコードが混入していることがわかります。
このコード、前回のおげんさんといっしょで星野さん…じゃねえわおげんさん!!! が紹介していたジェイコブコリアーが広めたことで大きな話題になっていた『ネガティブハーモニー』の一種としてアナライズすることもできなくはないと思いますが……
まあ文脈をおもんぱかるに同主短調「ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド」からやってきたヤツ、で充分……のはず………てん…
Hallelujah - Jacob Collier transcription - YouTube
(2:04~の"drew"でいきなり1月の寒空の下に放り出されるような冷たいサウンドになりますが、これがおそらくI△7をネガティブ化させたコードです。これは完全に『うちで踊ろう』とは関係ないおまけです)
そこからAb△7 → Gm7 - C9 (3:20~)という展開になりますが、
このGm7 - C9は IV△7へのII-V (ツーファイブ)進行なので、先刻の「星野源これ使わずに……」のコード進行がキーを変えてまた現れたということになります。キーCでこれ使わないでできてる曲あるんかな………
そんでもって、進行2周目もこれとまったく同じコード進行がくりかえされますが、どっこいメロディの機敏がまったく違う!!!!!!!!!!
これも問題なのは、一時転調してるだとかしてないだとかのAb△7 (構成音→ ラb・ド・ミb・ソ)の箇所です。
1周目 (3:20~)では「こんな馬鹿なあ」の部分がAb△7のメロディなんですが、ここのメロディが「ドーラー」になっており、
Ab△7 の構成音のラbと、星野さんが歌うメロディのラが半音で完璧にぶつかってしまっているんですが、
これはつまり『コードは一瞬だけ「ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド」の暗い音階のものを使っているけれども、
メロディはあくまで「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の明るい音階世界をキープしたままAb△7を乗り切る』ということで、
やや多旋法めいた複雑な音響状態を作ってでもメロディは明るい音階を使うことにこだわっている、ということになります。
これは従来の音楽理論からすれば完全な禁則行為ですが、ではなぜそんなこと星野御大にご丁寧にもブチかまして頂いているかといいますと、
2周目のAb△7 (3:27~)、「まだ生きている」のメロディが「ファ、ミb、ド、シb、ラb、シb」になっていて、ここでこのメロディをもつことで、
ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド
「ドに重心がある暗い音階」こと同主短調であるCマイナーへの、一時ではない本当の転調を予告し、
その転調を行うに際して生まれるサプライズ感を損なわないようにするためだと分析できます。
どういうことかというと、たとえば誕生日でもクリスマスでもなんでも、くれる相手が隠していたはずのプレゼントを偶然目にしてしまったら、いざ当日もらったときのサプライズ感は薄れてしまいますよね (いやまあどっちだって嬉しいですけどねくれるんなら!!)
転調もそれと同じで、「さあ転調するぞ!!!!」というギリギリのタイミングまで転調先の音階の音は極力伏せておいたほうが、いざ転調したときのサプライズ感は数段大きくなります。
ということから1周目のAb△7 「こんな馬鹿な」のメロディと、2周目のAb△7 「まだ生きている」のメロディとでは、(音楽理論的に多少アレであったとしても)あえて使っている音階に差をつけているのだと思います。
実際「まだ生きている」のメロディ、聴いていてけっこう「おお!!!」というインパクトありますよね。このインパクトは、こういった音階の使い分けによって生まれたものだとも言うことができます。
そして2周目のAb△7のあと、さきほどの「IV△7へ向かう」というVm7 - I7を経由し…
Ab△7 → Gm7 - C9 →
Fm7 → Bb9 - Eb - E →
…ているのですが、実際はIV△7 = F△7ではなくIVm7 = Fm7に進行しています。つづくBb9 - Ebまで含めどことなく見覚えのあるコードのような気がしますがズバリその通りで、これらは「ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド」、のダイアトニックコード。
Cm7・Dφ・Eb△7・Fm7・Gm7・Ab△7・Bb7(9)
つまり、「まだ生きている」のAb△7のメロディでチラ見せした音階「ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド」への本格的な転調が、このFm7の時点で完了したということです。
楽曲のメロディやコードを形成していた音階が、
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」
から👇
「ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド」
にまた変わった!!!
という寸法。Fm7 - Bb9 → Eb (3:31~)、というコード進行は、
いま『ミbに重心がある明るい音階』を使ってるよ〜〜ということを一発で指し示してくれるコード進行なんですが (ミbに向かうトライトーンがBb9の中にはいっている)、
「え"、じゃあ『ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド (ドに重心がある暗い音階)』じゃないじゃん」となってしまいますが、実は『ミbに重心がある明るい音階』というのは、
ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド・レ・ミb
であり、 ただ単に『ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド』の順番をいれかえただけのものなのです。
このように、明るい音階の中にも暗い音階が、暗い音階の中にも明るい音階が、さながら並行世界のようにコッソリとひそんでいるのです!!! ここが音楽の面白いところ!!
"Pop Virus"はなぜ『洋楽っぽい』か? (超ド級ファンとPOP VIRUSをほめまくろう分析1曲め、コード進行もちょっとあるよ!) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
これも詳しくはこの回に書いてあるはずなんですが、さっき「この曲コードは暗めだけどメロディは明るい」と書きましたが、
どうしてこういうことができるのかというと、このようにひとつの音階の中には明るい重心も暗い重心も同時に入っており、
「メロディは明るい重心に従い、ハーモニーは暗い重心のほうに従う」ということが自然にできるようになっているからです。
El Debarge: "I Like It" Live (1999) - YouTube
この記事でも挙げられているEl Debargeの"I Like It" のAメロ(0:22~)は、かなりわかりやすく「メロディは明るい重心、ハーモニーは暗い重心」の構造になっています。
というわけでFm7 - Bb9 - Eb、というコード進行は「ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド・レ・ミb」へ転調した結果のコードでした。次のコードがいよいよクライマックス!!!!!!
この曲で一番ヤバいのはこの次のFm7 → Bb9 - Eb - E7、このE7のコードによる激烈な一発。こーーーーーーーれはもーーーーーーーーー負けですよ、これやられちゃ誰も勝てないの一手です。
メロディだと「あなたの胸の」のところなんですが、この部分を音名で書いてみると「ラb・シb・ド・ファ・ド・シb・ラb」になり、
ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド・レ・ミb
と、これまでの音階でできているメロディだということがわかります。が、じゃあそのEのコードは………?
この答えは、Cパートを抜けたサビのコード進行を見てみるとわかります。
Fm7 → Bb9 - Eb - E7 →
[B3] 3:35~
D△9 - C#7 → F#m9 - A7 →
D△9 - C#7 → F#m9 - A7 →
D△9 - C#7 → Em7 - A7 →
D△9 → G7(#11) → ×2
ついさきほど転調したばかりにも関わらず、Cパートからラスサビに移った瞬間にまたしても転調していることがわかります。
しかもそれはただの転調ではなく、なんと「いちばん転調が難しい」と言われている距離を、このE7コード一発だけで一気に駆け抜けてしまうというブッ飛びまくったトリックスター的転調だということも!!!!!!!!!!!!!
「い、いきなり謎の表を……」てな感じですが、この表こそいま申し上げた「キーとキーの距離」、すなわち転調の難易度も示してくれる図表なわけです (日本語版wikiより引用)。
たとえば、この曲ではこれまで2回ほど転調してきましたが、ここではその転調の難易度がどんなものだったのかを見てみることにしましょう。最初は、
[Intro (0:33~)] → [C (3:16~)]まで
「ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ」
= 「ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ#・ソ」
→ 図で言う「G/e (#1)」のところ
👇転調して………
[C (3:16~)] から、その途中(3:31~)まで
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」
→ 図で言う「C/a (♮、フラットやシャープなし)」のところ
という転調でした。これはこの表をひとつ左隣にズレるだけ、つまりとても親和性のあるキーどうしでの転調であることがわかります。
(ふたつの音階間で、違う音がひとつしか存在しないので音階の性格も近いのです)
そして今さっきやったばかしですが、その次の転調はこんな感じでした。
[C (3:16~)] から、その途中(3:31~)まで
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」
→ 図で言う「C/a (♮、フラットやシャープなし)」のところ
👇転調して………
[C (3:16~)] → [B3 (3:35~)]まで
「ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド」
= 「ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド・レ・ミb」
→ 図で言う「Eb/c (b3)」のところ
こちらもすでに書いていますが、「ドに重心がくる明るい音階」から「ドに重心がくる暗い音階」に転調しているわけなので、かなり親和性の高い音階どおしでの転調です。
(むりやり星野さんの話に回収すると、『働く男』でフェイバリットに挙げられているビーチボーイズのブライアンウィルソンがこの転調を多用します。ロジャーニコルスのしそこから影響を受けた渋谷系の作家さんがよく使うやつですね)
ここまではけっこう親和性の高い音階間での転調をしてきました。が、が…………………!!!!!
先に答え合わせしてしまうと、「ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド・レ・ミb」からラスサビで「ラ・シ・ド#・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ」に転調して…………るんですが………………
[C (3:16~)] → [B3 (3:35~)]まで
「ド・レ・ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド」
= 「ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド・レ・ミb」
→ 図で言う「Eb/c (b3)」のところ
👇転調して………
[B3 (3:35~)] 以降
「ラ・シ・ド#・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ」
→ 図で言う「A/f# (#3)」のところ
というわけで表を見てみてください、今回はいっこ隣とか直角90°じゃなくていきなり真向かいにブッ飛んでるのわかりますか!!!!!! !!!!!
しかもb3つの音階から、#3の音階に転調するってことは、
これは実質的には「シャープやフラットがまったくつかない音階から、シャープかフラットがいきなり6コ増える音階に移動する」という相当にイカれ狂った転調であることがわかります。
でもやるの!!!!!!!!!! イカれ狂ってようと星野源はやるの!!!!!!!!!! これを紅白初披露というすげーーー場面でいきなりやってしまうのは星野源だけなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 日本!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
というわけで話をぐ〜〜〜〜〜っともとに戻します、CパートのFm7 → Bb9 - Eb - E7、のE7やいのやいのの途中でした……………。
「あなたの胸の (3:32~)」のメロディを音名で書いてみると「ラb・シb・ド・ファ・ド・シb・ラb」になり、
ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド・レ・ミb
と、これまでの音階でできているメロディだということがわかりました。
しかしながら、このE7のコードは次の転調先である「ラ・シ・ド#・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ」という音階のダイアトニックコード、
A△7・Bm7・C#m7・D△7・E7・F#m7・G#φ
E7 (構成音 → ミ・ソ#・シ・レ) があらわれます。
つまりどういうことになっているかというと、『E7コードは次の転調先のコードだが、その部分で歌われているメロディは今いる音階のものになっている』のです、これがすこぶる巧みなんッッッッっスね!!!!!!!!!!
E のコード自体は
「ラ・シ・ド#・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ」
の音階から生まれてますが、
この部分で歌われているメロディの音階は
「ミb・ファ・ソ・ラb・シb・ド・レ・ミb」
になっていて、なぜこういうことができるかというと、
「ラ・シ・ド#・レ・ミ・ファ#・ソ# (ラb)・ラ」
「ミb・ファ・ソ・ラb (ソ#)・シb・ド・レ・ミb」
遠くかけ離れているはずのこのふたつの音階でも、Eコードが鳴らされている瞬間にメロディが歌っている、
「あなたの胸の」の ラb (ソ#) の音は両方の音階が共通して持っているからです!!!!!!!!!!!!!
このE7は、オザケンの『天使たちのシーン』と同じ『転調先のキーにおけるVのコードを鳴らしてしまう』という転調の手法です。
とはいえ、いきなりシャープやフラットが6コ変わるという縁もゆかりもなかなかなさそうな世界へ向かうに際し、2拍というほぼ一瞬だけE7を鳴らすのみではなかなか転調の予告としては不十分そうなもんなんですが、
「いちおうV7鳴らしてんだからいいじゃん!!!!」と言わんがごとくおかまいなしにガツンと転調してみせているのは、これはもうひとえに『星野源のはちゃめちゃなセンス』としか言いようがありません。
先述のようにかなり緻密に構成された部分もありつつ(無意識的に「作ってみたらたまたまそうだった」のかもしれませんが)、こうした力技で無理やり強行突破するような大仕掛けもあり、ポップス作家としては本当にこれ以上ない、まさに『珠玉』といえるここ数年の集大成のような楽曲になっていると思います。
そしてこれまでの星野源ソロで、ひとつのセクションの中にこんな複雑な転調劇が挟まる楽曲はなかったはず。氏のつくる音楽のボキャブラリーにまた新たなものが加わったという感慨深さも、この転調を聴く上での重要なファクターになっているかもしれません。
というわけでFm7 → Bb9 - Eb - E7 において、Eb - E7の部分でメジャーコードが半音移動しているところもミソです。
(ダイアトニックコードだけではこんなコード進行は生まれ得ず、我々リスナーの耳が「この曲のメロディとかハーモニーを形づくっている音階が急にわからなくなったぞい!!!!」となり、足場がグラつくような無重力感が生まれる進行です。
そして我々が無重力感にさいなまれているその最中に源がシレッと転調を完了させてしまうので、ラスサビに入った瞬間に「転調したのか………?!?!?(俺以外の奴と………)」というとてつもないサプライズ感を生み出しています)
(ここは主な内容とあんまし関係ないので読まなくていいんですが、バンド全体の総意というか譜面的にはここEコードの指示な気がしなくもないんスけど、4拍目に櫻田さんがE7のオルタードテンションを弾いているのでE7のほうで書いています。しっかりとは採ってないけどb9とb13は鳴ってるはず)
盛り上がれ〜〜〜〜〜のラスサビ(とエンディング)!!!!!!
【NHK紅白】星野源『うちで踊ろう(大晦日)』フル・バージョン
[B3] 3:35~
D△9 - C#7 → F#m9 - A7 →
D△9 - C#7 → F#m9 - A7 →
D△9 - C#7 → Em7 - A7 →
D△9 → G7(#11) → ×2
[B3] 3:35~
IV△9 - III7 → VIm9 - I7 →
IV△9 - III7 → VIm9 - I7 →
D△9 - C#7 → Vm7 - I7 →
IV△9 → bVII7(#11) → ×2
このラスサビに入った瞬間に「何だこれ⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️」ってなった方がたぶん俺含め日本中にものすごいいらっしゃると思うんですが、それはポップな顔つきでこういう超緻密な技巧が水面下で繰り広げられていたからです。もう言いたいこと言えたので満足しましたが帰るに帰れないので最後までやります。
とはいえこのラスサビは、イントロから2番まで「ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ#・ソ」でやっていたことを、
「ラ・シ・ド#・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ」で再現しているだけなので、ここで新しくアナライズすべきところはありません。
最初「ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ#・ソ」だったものが、最終的に「ラ・シ・ド#・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ」になっています。
要は全音上 (半音ふたつぶん上)に転調したってことでそれ自体はJ-POPでもたまにある転調ですが、ストレートにこの1回の転調だけで済ませず、Cパートでわざわざ
Em/G (イントロから2番までのキー)→
C/Am (Cパート入りから途中までのキー) →
Cm/Eb (Cパート途中からラスサビまでのキー) →
F#m/A (ラスサビとアウトロのキー)
と紆余曲折しているところにこの曲のおもしろさが詰まってますね。こういうところが『愛』の気がします。
ついでに「アウトロ」といいつつ実際にはあってないようなものなので、最後にエンディングのところもアナライズしましょう。
[Ending] 4:06~
D△9 - C#7alt → D△9(13)
[Ending] 4:06~
IV△9 - III7alt → IV△9(13)
最後だけしっかり専門的にやると、IV△7はダイアトニックですよね。その次のIII7altとかゆ〜〜〜のが問題になるわけですが、これはIVのメロディックマイナースケールを7番目の音から並び替えた『スーパロクリアンスケール/オルタードドミナントスケール』をいっこ積みしたりしなかったりすると生まれるコード。
「なんで急にIVのメロディックマイナースケールが……」という話なんですが、おそらく日本の理論書で唯一『ブルーノートと調性』がこれを下方倍音列を使って理論的に説明しているので、深掘りしたくば「探せ、世界の全てをそこにおいて…」という感じで原典にあたっていただけたらなと思います。(ここまででたびたび出てきたbVII7(#11)もこのIVメロディックマイナーを並び替えたやつです)
ともかくIII7altというのはIVm△7のバリエーションのひとつなので、そのリハモをほどけばIV△9 - III7altもIV△9 - IVm△7として読めます。まあ最後の指遊び的な3発なのでこんなことしっかり考えなくてもいいパートだとは思うんですけど!!!!!!
というわけでお疲れさまでした。最後に書くことじゃあないですが、コレ1日で読もうとするのキツすぎるので1ヶ月とか時間置くべきのヤツでしたね………………
『うちで踊ろう(大晦日)』の大仕掛け、なんとなくでも分かっていただけましたでしょうか…………? 楽曲の顔つきは完全に「ポップスで〜〜〜〜す!!!!!」」の表情ですが、立ち止まって読み解こうとすると、実はこんな風にところどころけっこうなスペクタクルが発生している楽曲です。
こんな曲を聴けること自体もとてもうれしいですが、それをこうやってめっっっっっちゃくちゃ多くの人と「この曲いいよね!!」って分かち合えること自体もすごくありがたいなあと思います。もうじき星野さんのソロを聴き始めて10年ぐらいになろうかという域ですが、まあ本当に………ご自身がいちばんまさかだったは思うんですけどやっぱ俺もそんなことまったく思ったこともないままあれよあれよと『国民的スター』なんで…………本当にお体にはお気をつけて、陰ながら応援しております…………………
おつかれさまでしたの最後のまとめ
そんなこんなで話はページの最初にもどります。すでに何度か書いているので今さら書くのも…という感じではありつつ、
話の舵の切り方が大平台かよって感じなんですが、たとえばマジックって見るのおもしろいですよね。まあ「別に面白くは…」って人もいるとは思いますけど、
それでも何が起きてるのかわからないような、とんでもない奇術が目の前で繰り広げられているのはとても不思議でワクワクしますし、その魔法がどういうトリックで/どういう構造で/どういった発想で生まれたものかを知るということも、本当にスリルあふれる素敵な遊びです。
今回ここでやってみたのは、『目の前で見せられたマジックを、これまで学んできたマジックの知識を総動員して解体/解説し、そのマジックを再現してみたいと思った人全員が極力同じように再現できるようにする』というようなことだと思います。
現状『音楽理論』というと、実際に音楽を作ったり演奏する人間しかなかなか知り得ません。
がしかしながら、「このマジックの仕掛けどうなってるんだろう? 再現してみたい!」という気軽さでもって、誰しもが「さっき聞いたあの曲みたいないい曲を作ってみたい!」と思っていいと思いますし、そのときに間違いなく音楽理論はその一助になります。
…………と、なんとなくそれっぽいことを書き連ねてはみましたが、要するに何が言いたいかというと「みんなもっとすげーーーー気軽に曲作ろう!!!!!!」、ただただその一点に尽きます。世に生まれる曲が増えれば、そのぶん好きな曲に出会える確率だって上がるはずだし。2万字超書いて世に訴えたいことはお気楽なそれのみ!!!!!!!!!
もうすでに音楽が好きな人やこれから好きになる人、そして音楽を好きになること自体が、もっと気軽に音楽をつくったり読み解いたりすることと近くなってくれたらうれしいなあと思いつつこのブログ(とかpixivとか)を書いています。音楽にかぎらず、自分が好きなものを「なんでこれ好きなんだろう?」って知るのはめちゃくちゃ面白いので!! この文章も、ちょっとでもそのとっかかりになれたらよいな!!! と思います。
最後に、誠に勝手ながらナンバユウキさんが上記ページにて書いてくださった選評を引用させていただきます(※改行による改変はわたしによるものです)。
ユウキさんに限らず、『ドラえもん』のときとか感想をくださった方がみなさん(超絶大意で)こう言ってくださるのがめちゃんこ嬉しかったのでもう数年もう数年と続けていきます……………(とはいえもうずっと座ってると腰いてーーーしこんなんそうそう書けませんが……)
ポップ・ミュージックとアニメソングはわたしたちに魔法をかける。魔法だから魔法のようにいつかけられたかもどうかけられたかも分からず魔法にかけられる。それでいい。
いいけど魔法使いたちの魔法を解読したくもなる。音楽の魔法使いに魔法使いが挑むそれは楽理分析とか言われる。これは魔法使いの呪文を読み解くブログ。
魔法への愛に満ちているから魔法が使えなくても読める。その愛を聴き取ればいい。いっそう魔法が魔法であることが分かるから。
というわけで2021年も超ド級ファンです、星野源さんの本年の活動も誠に楽しみにしております!!!!!!!!!!
浜本談子 (@odoroktamegoro) | Twitter
浜本談子 / Asirhyme | Free Listening on SoundCloud
個人的な2020年のふりかえり
というわけで以下は2020年中に書いておきたかったけど体調最悪すぎて書けなかった諸々です。ホント諸々が後手後手でスンマセン…………「こんな長文のあとに……」と思いながら書いてるので鼻で笑いながら流し読みする程度でアレですんで………
・あいかわらずEP製作中です……… 3月まではまあまあ順調に進行してたんですが春以降物理的にもズッコケまくり、当初は「チャッと作ってチャッと出す!」みたいなテーマを掲げてましたが参加していただく方のワーーーーーーということを思うと、「やっぱガッツリ作り込んだものを……」というわけで今頑張って停滞した脳みそを揺り動かしてます。
さすがにこれ☝️の30倍くらいはちゃんとした音響のものが出せるはず。これももう2年前………………… いちおうスケッチとかちょっとしょっぺ〜〜形態ではありますがちょいちょい新曲も出してます。
浜本談子 on Twitter: "鋭意制作中のEPの1曲めに収録予定の新曲です………❣️❣️❣️❣️
今はまだスケッチですが… https://t.co/hfL5ecfwvR"
『満たされていく』 (ひきかたりwip) by 浜本談子 / Asirhyme | Free Listening on SoundCloud
(あとホントは事前におしらせしたかったんですが、2, 3ヶ月くらい前にサンクラにあげた『解れた雨〜』うれしいことに100ダウンロードに到達しました…ありがとうございます……!!!)
・というわけで2020年の1月、芽田ぱにの姉御とスタッフの皆様のご厚意により、とんでもないライブにお邪魔することができました。
(※、さっきまで「とんでもないライブに邪魔することができました」になっておりました失礼いたしました。「俺、山賊だったのかな?」と思いました)
浜本談子 on Twitter: "というわけで事後報告になってしまいましたが、本日1月23日渋谷LUSHでのイベントに… https://t.co/N7QCQC18pB"
初対面のめちゃくちゃいろんな方とお話でき、開催のタイミング含めマジであまりに奇跡的な回だったため「いや〜〜コレ今年も楽しいこといっぱいありそうだな‼️😄」と思っていましたが、
その後行く予定だったライブが2本つぶれ、いろいろあって微塵も楽しくない2020年と化してしまいましたがマジでこの日だけは掛け値なしで諸手を挙げてハッピーでしょうがない1日でした。ライブ行きて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・そして上掲のはてなブログ大賞2020へ………… ユウキさんにはマジで様々にお世話になり続けているので(奢ってもらったりとか奢ってもらったりとか……)、本当にいずれご恩を…………
浜本談子 on Twitter: "最後に、当ブログ最新回を"
あとはNCTに完落ちしたり、津田健次郎さんがアッバスキアロスタミをひたすら語っている動画見ながらじゃないと寝れなくなったり、ワザップ光彦聴きながらじゃないと寝れなくなったりしていましたが、マジで今年覚えてるのあと見たアニメぐらいしかないので(去年全話完走したの、『波よ』、無限の住人、呪術廻戦、も〜っと! かいけつゾロリ、プリキュアだけです)、今年はいろいろと実のある1年にしたいです。榎木くん、まいたる以外の役を知らなかったので「感情なしお兄さんむちゃくちゃ演技うまいやんけ………」となりました。
というわけで本年はいろいろと稼働できるように尽力しようと思います、25000字もあるのによくぞここまでお目通しいただきました…………というわけでくれぐれもお体にはお気をつけてうちで踊りましょう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜それではまた!!!!!!!