グランマガザンえぞ屋さんはてな支店

世界中のナウくてマブいおもしろ音楽物産展です🍣

田中秀和さん作"いとしーさー♥"のイントロコード分析

 

 アルストロメリアアルストロメリア記事がありがたいことにすんげえドヒットしたので、当ブログは今後アイマスとTABOOプロダクツだけ扱うヘンピブログになろうと思います!! ウソです!!

シャニマス楽曲の『アルストロメリア』をほめまくりたいの陣(コード譜とリズムアナライズもあるよ) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店

 ところで、「田中さんくらいの作家さんなら発表されたそばから即ネットにコード譜あげる分析班みたいなのがいるんだろうな〜〜〜😌」と今までずっと思ってたんです。思ってたんですけれどもよ………

そんなわけでみなさんコレ助け合いの精神です!! このページ踏んだ人は全員これ採譜してネットに載せてください!!(笑) ストラヴィンスキーもビックリなN/Kのヴァース刮目!!

JAZZDOMMUNISTERS/DRIVE feat.OMSB,AI ICHIKAWA【MV】 - YouTube

TIPOGRAPHICA -Naked Lunch- - ニコニコ動画

 

<key=F/Dm, 4/4/4, BPM=76>

[Intro]

Faug/Eb - Bb(9)/D -  Db6 - F/C → 

Bφ - Bbm6(9) - Am7 - Ab6 → 

Dm7/G - Am7 - Bb△7 - Eb9 → 

Gm7/C - C - D → 

[Intro]

Iaug/bVII - IV(9)/VI -  bVI6 - I/V → 

#IVφ - IVm6(9) - IIIm7 - bIII6 → 

VIm7/II - IIIm7 - IV△7 - bVII9 → 

IIm7/V - V - VI → 

(※、拍子記号についてはこちらの15分ごろ参照のこと↓

Interview: Jacob Collier (Part 2) - YouTube

「うわ〜〜ジェイコブくんも同じこと考えてたんかい!!!」という衝撃の事実にルンルンで今回さっそく使ってみました、ぜひこれからスタンダードにしていきたいところ

 

※※追追記、ウチの名前出して添削してくれた人がおりました〜〜

けどせっかくやってくれたのに直接教えてくんなきゃ紹介しようないじゃん!!!(笑) 教えてよ!!

日向雨@バーチャル音MAD作者 on Twitter: "動画を聞いて違和感があったから自分で耳コピしてみた。)

 

 そしていちおう解説も以下に書いたんですが、時間ないのに加えいっこいっこ解説してくとかなり冗長になりそうなので今回もちょっとビギナーさんおいてけぼりかもしれません、ほんっっっとメンゴだけどどっかで勉強してね! 「ドレミってなに🤔」のレベルからたのしく教えてくれる『ゼロからの音楽文法』超オススメだよ!(ダイマ)

 

 というわけで解説です、ポップ和声がわかる方には「あぁあるほど、コイツこうやって音楽聴いてんだなァ…」と楽しめ、わからない方でも「あぁあるほど、コイツこうやって音楽聴いてんだなァ…(白目)」と楽しめます。ではドゾ〜〜〜

1, "Iaug/bVII"

 『「ド頭はトニックはじまり…?」かと思いきやよく聴くとなんとSDMはじまり…』って投稿直前まで書いてたけどちっっげえこれリディアンI/bVIIじゃなくてリディアンドミナントのIaug/bVIIだ!!! どんなイントロだよ!!! 事故か!?!??!?

 このコードに6thを足した"bVII△7(#5)/I"型は、ポップスではスティーリーダンとほぼすべての彼らのフォロワーが使うコード。

ふつう「パパには『しー』なのさ〜〜」とか歌ってるド正直なかいらしいアイドルポップに登場するコードではありません、歌ってるアイドルさんの背後にフェイゲンおじとベッカーおじの顔がチラつくからね…

カザミドリ by M.Kitasono | M Kitasono | Free Listening on SoundCloud

(元北園みなみさん、現大沢健太郎さんのこの曲には"bVII△7(#5)/I"型のドミナントコードが頻出します。

※、そして以下のツイートをもって追記とさせてください、Iaug/bVII≒bVII9(#11, 13)は、はんぶん田中さんが公言されているようにIII7altです↓)

(あとコレも追記、数日間MONACAの曲を聴き漁った結果、この"Iaug/bVII"は田中さんの手グセコードだということがわかりました。コレにもコレにも出てくるしきっともっとある↓)

灼熱スイッチ - YouTube

【楽曲試聴】「桜の風」(歌:アナスタシア、五十嵐響子、依田芳乃) - YouTube

 

 あぶないあぶないまた性懲りもなく成孔必殺進行の話を無限にしてしまうところだった、なんかもう『何にでもマヨネーズかける人』みたいな感じで『何にでもaugかける人』ですよね田中さんって。今回は泡盛にマヨネーズぶっかける感じでしょうか、正直ポップスでリディアンドミナントはじまりの曲を聴くとは思いませんでしたわくわばらくわばら…🙏🙏🙏

以前「ハーモニーを追求している人はみんなアニソンに向かったんだね」という旨のツイートかなにかを拝見しましたが、まさにこの冒頭の"Iaug/bVII"を追求と言わずして何を追求というのかというところでしょうか。 

 いやァ……琉球音階のメロディーにいきなりこのコードをぶつけるセンスたるや………『琉球レゲエ』という発想もそうだけど、うーーーん天才………

 

2, "IV(9)/VI"

 先頭の"Iaug/bVII"だけわかってしまえばあとはもうこっちのモン、以下は基本ダイアトニックと同主短からの借用オンリー。

このコードはふつうにIVの第一転回形、だが9thがアドされており上声が4度4度(シドシド)インターバルを形成していることに注目!!!

3, "bVI6"

 SDM。IVm7の一転形、ここで三線が6度音のb(ベー)を弾いている。

4, "I/V"

 トニックIの二転。個人的にはbVIからこれに来ると「次#IVφくるな??」と思ってしまう

 

5, "#IVφ"

 ポップス頻出のノンダイアトニックコード。ポップスでの使われ方は以前書いたとおり、

①、II9代理 (II9→V7)

②、#IVº代理 (#IVº →IV△7)

だけわかっていればまず困ることはない…はず…きっと…

超ド級ファンがほめまくる星野源さんの『ドラえもん』フル分析(もちコードもあるよ)!!! - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店

6,  "IVm6(9)"

 好き〜〜めっちゃ好き〜〜〜#IVのハーフディミニッシュからIVの△7行かないでm方向で裏切るのめっちゃ好き〜〜〜〜☺️☺️☺️

というわけでIVのメロディックマイナー。当初IVm△9だと思っていたのだけれど、ギターが弾いていたのはAmトライアドではなくてたぶんソとドだけ。

7, "I/III"

 「IVからIIIに動きたいけどIIIm7つかうとちょっとベタっとしすぎるな、、、」というシーンでこっち使うとハーモニーの重心が下がりすぎなくてイイ感じ。けっきょくは個々の好みだけど作曲ってこーゆーのの連続!!

(※、"桜の風"サビの「こーこ『ろー、かーら』のー」の部分がこのコード。やわらかい春のそよ風を描写しているような歌詞とハーモニーのマリアージュにしびれる〜〜)

【楽曲試聴】「桜の風」(歌:アナスタシア、五十嵐響子、依田芳乃) - YouTube

 

8, "bIII6"

 ここはTM(ネットワーク)。やっぱ好っきゃねん"bIII6"が…

 個人的には"bIII6"とくればもうaikoさん以外のコンポザのこと考えられず、"卒業式"の「よう『で〜〜〜〜』」でbIII6を極められたのちに島やんからも卒業したという示唆的も示唆的すぎる出来事を思い返しては涙ちょちょ切れ………

というファン懐古はともかく、aikoさんのキャリアの初期の初期の初期の楽曲から現在の楽曲に至るまで、「ここッ!!」という大事なシーンで登板することの多いコード、代表曲の"カブトムシ"でもサビの一番いいところで登場している。

aiko-『カブトムシ』music video short version - YouTube

(1:47~, 2:13~, 2:26~。みっつとも"いとしーさー❤︎"と同じくメロディが全部『ド(bIIIの6th)』)

あとはレリゴー…あッ今「そういえばそんな曲あったな!」と思っただろ!?!? あんなにみんなもてはやしていたのに!!!

Disney's Frozen "Let It Go" Sequence Performed by Idina Menzel - YouTube

(1:23~。こちらもメロディーが『ドー』。

※、「"桜の風"でもこの二曲とまったく同様の使われ方をしているので探してみてネ!」の陣)

 

9, "VIm7/II"

 ここがちょっとあやしい。一度ふつうにIIm7で採ってたのだけれど、MIDIで鳴らしてみると音源とぶつかってるように聴こえたので訂正…おそらくIIm7の3度音"IV"が入ってないsus4型、II9sus4になってるはず。

半音で降ってくるコード進行のカロリー(ダイアトニック:ノンダイアトニック比的な)を、ここでスカして消化しているのが「ウォ〜〜〜田中先生!!」って感じですごい! ふつうならIIm7にしてしまうところ…

10, "IIIm7"

 全音上昇。前のコードの上声部"VIm7"がここに5度進行しているので、ふつうに"IIm7 → IIIm7"と動かしたときにこみ上げる『ベタな熱っぽさ』がない。ッヒャ〜〜恐れ入ります………🙇

12, "IV△7"

 半音上昇。ベースが"II→III→IV"と動くと、aiko進行"IIm7 → IIIm7 → IV△7 → IV△7/V"、後続にドミナント7sus4を予感してしまうが…

13, "bVII9"

 実際に後ろにくるのはSDM(『拡張されたドミナント』解釈もあるかと)。

(※、そんなわけでどちらででも解釈できそうです。というか肝心なのは解釈ではなく『"IV△7→bVII9→V7sus4"のサウンドを自作で使いたいと思ったときにパッと使えるか否か』だと思います)

そしてこのコードを経由し、次のコードでV7susにランディングする。なんだかジェイコブくんやパーカーのおじちゃん的なロジックを感じさせるような流れ。

 コードEb9に対してメロディーが#11を突いているのがなんともツボ! ド頭の"Iaug/bVII"に回帰しています。

 

14, "IIm7/V"

 ミクソリディアン提示のVm7/I型、おなじみの分数コード。ガッチリ書くと"V9sus4"。

15, "V"

 ここですべてのテンションがVのトライアドに解決する。ここで終わりかと思いきや、

16, "VI"

 Vが平行で上昇してVIのメジャートライアドに到達、『崖のてっぺんまで来てもうこれ以上線路ないのにブレーキ緩めないブッ飛び暴走列車』のような勢いを感じさせる。

イントロから先を採ってないので「これで全音上に転調でもすんのかな?」と思ったら、Aメロ頭がIIm7なのでフツーに二次ドミでしたとさ(V7 - I♪)。

 

  …そんなわけで短いながらもお疲れ様でした。

以前ブログに書こうと思って思いっぱなしになっていた「桜の風Aメロのクリシェ往復"I - Iaug → I6 - Iaug"がスティービーワンダー先生のOverjoyedイントロ"Db6→C7→B△7→C7"モーションを強く想起させるから実質桜の風はスティービーワンダー作曲なのだ」というネタがどうしても書きたかったのだが…べつに文字に起こすとたいして……

  というわけでまた次回! いま聴いてるコレがなんかエンディングにめっちゃピッタリなので聴きながらお別れしましょう、また来月!

来月は俺をアイマスに引きずり込んだ星野源さん"POP VIRUS"特集だったりそうじゃなかったり…行くぞ6th! 読むぞヴァイナル文學選書! そして夜電波よ永遠なれ!!! 今こそ番組にメールを書くとき…番組の終了はもう変えられないけど、もしかしたらちょっとだけ遠い未来は変えられるかもしんないもんね!! では!!

菊地成孔の粋な夜電波|TBSラジオFM90.5+AM954~聞けば、見えてくる~

 

<勝手に関連記事のコーナー>

シャニマス楽曲の『アルストロメリア』をほめまくりたいの陣(コード譜とリズムアナライズもあるよ) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店

  リズムアナライズメインだけどアイマス特集回、ご好評賜りまして感謝感謝ですの限りであります。次はもっともっと伝わるようにがんばりますので!!

菊地成孔限界オタクがおくるSPANK HAPPY入門(第1期編) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店

 そしてノルマ…SPANK HAPPYは1期も2期も3期もジャズ由来のいいコード進行まみれだからぜひコピーしてみてね。このページには新曲4小節ぶんのコードがのってるよ↓

SPANK HAPPY"ヌードモデル(仮)"、"エイリアン・セックスフレンド"歌詞&リズムアナライズ特集 - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店

 

 ※、ツルネ1話とりあえず10回くらい見たんですけど、何回見ても冒頭の露骨すぎるへそチラサービスシーンで笑ってしまうし、七緒ガールズがカッちゃんに後ずさるあそこの演技がすばらしすぎて涙してしまう…あと花沢ゆうなさん手のひらの開示っぷりがすげえ山田尚子ギャルっぽい、ユーフォ1話のあすか先輩並みな…テクニカルタームを1話でまったく説明しないで2話に持ち越すのもユーフォ文法の借用っぽくて!🌊🌊🌊

2話もカットバックのタイミングとかスピード感が面白いなあと思ったらエース藤田春香さん演出回。今作も『人生の復興/再開』がテーマなので興味あるなら今週からでも見るべし。まだまだぜんぜん間に合いますよ!

TVアニメ『ツルネ ―風舞高校弓道部―』PV第3弾 - YouTube

 

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