サンタさん来なかった!!
『恋』を書いてたんですけどムリですわ!!! あのペースであと13回は!!! 1年以上かかる!!
ほんとに、初等学理は俺みたいなのじゃなくて、キチンとした先生について学んでくださいね。何なら俺だって勉強したいもの初等学理…
その代わり、書くつもり/取り上げるつもりだった学理的トピックスは、ちゃんと全曲ぶん以下に書いてあります。
初等の初等パートに関しては前回同様動画でフォローしてるので、これで手打ちとさせてください。手打ちにできない場合は…
ティポグラフィカのCD4枚つめあわせ福袋(というかファーストがほしい)をコチラの宛先まで…👇
ではやります!! 待っててくれ〜〜Here is Broccoli〜〜〜
(あと初等者さんむけの動画を今回もつくってますが、
ふつうに開くより『新規タブで』のほうをおすすめします。まごころこめて作ってるから、ココに直接埋め込めてなくても聴いてね!!笑)
・1, Pop Virus
(※、というわけで初回を読んでいない方は、ぜひぜひまずこちらから…
読まないとちょいキツ構成なのでよろしくお願いします。自分で言うのもアレだけどなかなか楽しく読み通せますよ〜〜!!!笑)
"Pop Virus"はなぜ『洋楽っぽい』か? (超ド級ファンとPOP VIRUSをほめまくろう分析1曲め、コード進行もちょっとあるよ!) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
一箇所だけ「ここ触れてなくてどうすんの!?!?!?」という箇所を忘れていたので追補します。
エンディングの最後の最後で「じゃら〜〜〜ん」とギターが弾いているコード(MVでは3:05~)、これ『ばらばら』のイントロド頭のコードと同じです。
(3:28~。「6と9が鳴りながら△7」のコードです、Pop Virusの最後と聴き比べてみてください)
初聴時はボンヤリ「おなじだなァ」くらいにしか思いませんでしたが、MUSICAのインタビュー読んでスッキリ腑に落ちたのでした。
そーーーゆーー意図があったのね、たしかにばかのうた的な手触りはあった…
というわけでみなさん!! コレ指摘できる音楽メディアがいま日本にいくつあるのか!!!! ウチとGuiter Newbeeさんだけでしょコレは!!!(笑)
超ド級ファンが星野源さんの好きそうな(or好きな)曲を集めてみましたの会(その①) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
『日本一星野源に近い星野源のファンサイト』として、これからも末長くよろしくお願いします!!!
・2, 恋
そんなわけで2曲目以降に進みましょう。この曲で取り上げたかったのは『コード進行の勾配』。
ハーモニーや楽曲そのものに、どうダイナミクスをつけていくかという話です。
・0:01~
ようはココ。イントロド頭の「ちゃ〜ら『ちゃららら』」の部分、
D△7 → "G9(#11)" → F#m7 → A9 →
G9のところ、ふつうなら"C#7"なんですけど「トライトーンサブスティテューション!!!」といって(呪文)、
C#7→ ド#・『ミ#(ファ)』・ソ#・『シ』
G7→ ソ・『シ』・レ・『ファ』…
というように、F#(ファ#)に向かうためのトリトヌスをどっちのコードも共有してるので、
C#7を使うべきシーンでG7を代わりに使えるし、G7使うべきシーンでC#7を使えるという相互関係にあるというわけです。
(C#7よりも、G7のほうが不協和音感は強くないでしょうか? じゃっかん誘導尋問めきますが…)
「トライトーンサブスティテューション!!!」はチャートもののJ-POPではそこまで多用されないので(まったくではないですが)、
コレを一箇所ちょっと混ぜてみるだけでカンタンに『え〜〜ありきたりなサウンド〜〜😩』から一気に『わ〜〜オッシャレなハーモニ〜〜〜🤗』に変貌します。
こーーいうのはジャズなどなどを通っていないとなかなかできないハーモニー使いです、「星野さんならではな『ハズし』がなされている」と言ってしまってもいいように思えます。
星野さんは『他ジャンルの技法やワザを、J-POPに落とし込むセンス』が異様なのです。前回も書いたとおり、そこが星野さんが『革新的』な理由ですね。
・2:37~
そして間奏やエンディングの、最後の「でーでーでっ!」のところ。
ここ、ふつうなら
IIm7 - IIm7/V → I
なんですが、あえて『ドレミファソラシド』世界からハミ出す
IIm7 - ♭II△7 → I
進行があてがわれています。
(キーCだと♭II△7はD♭△7、構成音は『レ♭・ファ・ラ♭・ド』)
I(キーCだとC)という『おうち』に帰る際に、♭II△7のようにゆるやかに帰るのか、それともIIm7/Vのようにキツい勾配をつけて帰るのか、というハーモナイザーとしてのセンスが如実に現れるシーンです。
前者を『徒歩でトイレの窓から帰ってくる』とした場合、後者は『ヘリコプターで天井から帰ってくる』というような違いがないでしょうか?(あるか?)
作曲家は、前者のように静的/スタティックなコード進行を必要とする場面と、後者のように動的/ダイナミックなコード進行を必要とするシーンを、メロディや楽曲の展開と照らしあわせて見極め、ひとつひとつのコードをチョイスしています。
音楽を勉強すると、ハーモニーだけに限らず、この作曲家たちのチョイスやその違いをしっかりと味わえるようになります。
…というのが前回「歌詞だけでは片手落ちなのだ」と書いた理由です。
ここでIIm7/Vではなく♭II△7を選んだ、そしてC#7ではなくG7を選んだ星野さんのセンスの妙を、ある程度勉強すればより深く感じられるようになると思います。がんばって!!
・まとめ→
というわけで、もはや何百回と聴いたドドドドドドドドド名曲も、聴きようによっちゃまだまだまだまだ楽しめます。
前回書いた『耳を鍛える』ということは、それすなわち『自分の好きな楽曲の賞味期限を半永久的に延ばす』ことにつながります。自分の好きな曲が、ずーーーーっと新鮮な耳で楽しめるなんて最高じゃないスか!!
そして、星野さんの曲はそういった研鑽に耐えうる強度をもったものだと思います。メロディを分析しても、歌詞を分析しても、ハーモニーを分析しても、アレンジを分析しても、どこを切ってもきっと勉強になるはずです。
下地のある人が真剣に作ったものは、国籍や時代を超えて多くの人たちに楽しまれるはず。何が言いたいかというと…もっと売れろィ世界で!!!
・3, Get a Feel
っっっちゅーわけで新曲、初聴時エレクトリックシタールのような音にビビりました。
この曲で話したかったのは、メジャーをポジティブであるとしたとき、マイナーはネガティブであるということ。中国の陰陽とおなじ関係ですね。
『ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド』世界でつくられた明るいメロディやコード進行の中に、
ふいに『ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド』世界からやってきた悲しいメロディやコードを混ぜてみると、前回の『スイカに塩』理論ではないですが、周りが明るいなか、ひとつだけポツンと悲しい音が混ざるので、強烈な違和を感じさせることになります。
この違和感が、リスナーの『悲しい・切ない』といったような情感を生み出しているのです。
(この曲で使われているのは、正確には『ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド』世界ではなく、
『ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ・シ・ド』世界、もっと言うと『ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド・レ・ミ・ファ』ですがこのへんはギリ中等科な気がするので自習!!)
・0:08~
ここがその陰のコード。
それまではギリギリ、メジャーキーの明るい世界の中で完結していたのですが、イントロの最後の部分で一瞬だけマイナーキーの悲しい世界が現れます。
メジャーキー世界で考えれば、ここのコードは本来
B△7(シ・レ#・ファ#・ラ#)
になるべきですが、一瞬だけマイナーキー世界にひっくり返っているので
Bm△7(シ・レ・ファ#・ラ#)
になっています。 悲しい世界からやってきた、特に悲しい響きをもつコードです。
・0:13~
このbVIº 7がゴスペルっぽい。前回やったマイナー(平行短調)へのトリトヌスの召喚です
・1:00~1:04
ここも同じく、"IV△7→IVm△7"という『ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド』世界からきたやつ。J-POPでよくある『泣き😭』の表現。
・ex.8, Get a Feel M→m - YouTube
・1:48~
ここのオルガンの処理がおもしろひ〜〜
・2:15~
ペンタトニックモロ出しな一節。
・2:50~
「そこに折り返すんか!?」という
・2:58~
そして最後『あったかおうちコード』で終わらず、『ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ・シ・ド』世界に移ったままブン投げて終了………
・まとめ→
イントロはシタールで8ビートかと思ったら、歌中はゴスペルっぽいし星野源っぽい。すっげーーーー不思議な曲。
次の"肌"で、Aメロの「16に乗って」という歌詞解釈大会やってますんでゼヒ。
・4, 肌
『一気に13曲特集』に対して、私的な面で唯一の心残りがあるとすれば、「この曲をガッツリやれなかったこと」です。
前も書いたけど、ちょっと複雑だしつめこみすぎな気あるし、ずっとリベンジの日を待っていた!!
すべての日本人へ。星野源さん『肌』の、あたらしいリズムへの挑戦(を超ド級ファンと読み解こうの巻) - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
なーーーーーのーーーーーでーーーー!! ガッツリやります、リズムはロールケーキだと思ってください。
イメージとしてはこんな感じです👇
「100%のカタマリを、任意の数に等分する」という分割のチカラ。
(ので、べつに思い浮かべるのはロールケーキじゃなくても、たくあんでもかまぼこでもしなびた[ピーーー]でもいいです)
このチカラこそが、『リズム感』という言葉の根幹なのです。
これさえわかればあとはカンタン。
この4分音符をロールケーキに見立て、4等分したり5等分したり6等分したり7等分したり…するだけです。
というか、まず理屈ァ別にいいので!! とりあえず"肌"流して、自分が感じたまま/聞こえるままにリズムとったり踊ったりしてみてください。
踊ることこそが、リズムをいちばん手っ取り早く掴む方法なのであります。音楽の勉強って座ったままではぜんぜんできないですね!! スタンダスタンダッ!!!!!!
4/4拍子というのは、この10cmロールが4個つながっている状態なのだと思ってください。
「4/4拍子 = 400%でワンパックなのだ」という。
4/4拍子だけ覚えてしまえば大半のJ-POPと太刀打ちできるはずですが、
3/4拍子になればロールが3連(300%でワンパック)になるだけ、5/4拍子になればロールが5連(500%ワンパック)になるだけです。
"肌"は4/4拍子なので、ここでは全世界の音楽においてド定番である4拍子を題材に話を進めます。
ロールいっこいっこを2等分した、8拍の世界は「8ビート」と呼ばれ、ロックなどで使われます。
星野さんの曲では、"ギャグ"などで使われているリズムです。
星野源 - ギャグ【Extra MV】/ Gen Hoshino - Gag - YouTube
そして今回"肌"で使われているのは4等分、16拍の世界は「16ビート」と呼ばれ、R&Bやヒップホップなどで使われます。
星野さんの曲では、"SUN"以降の大半。…の曲がこのリズムで作られています。
「16ビートは、J-POPの中にはなかなか取り込まれなかった(そして星野さんがお茶の間に定着させようと尽力している)」というのは前回書いたとおりですが、
ともあれ「肌のリズムがむずかしい!!」というのは、端的に16ビートがめずらしいため、まだ慣れていないからです!! 慣れてしまいさえすればへのカッパですよ!!(古い)
というわけで、これが"肌"のリズムの見取り図です。ドラムやベースは、このマルのついた音を強調しています。
2拍=ロールふたつワンセットで、
「『タタタ』『タタタ』『タタ』」という3、3、2の刻みのフレーズになっていることがわかりますね。
このリズムのむずかしさは、「4つで割ってる(4分割な)のに、3つで進んでいる」ことにあります。
8ビートだと最小単位は50%。50%であればどう積み重ねても150%や200%など明晰な数字になれますが、16ビートの場合は最小単位が25%。
75%、125%など、8ビートがつくる150%や200%の明晰さにはやや劣ります。
ですが、ここも前回書いたとおり、分割数が多ければ多いほど鳴らせるフレーズの選択肢は増えます。「そしてそれこそが、個々人それぞれの多様な生き方に繋がっていくのだ」…という。
じっさい、「8ビートなら踊れるけど、16ビートだと…」という状態にあるのであれば、16ビートの曲が流れてるとき踊れないからもったいないじゃないっスか!!!
どうせ踊るなら、かかる曲かかる曲ぜんぶ楽しめた方がトクだし楽しいですよね、「これは自分には理解できないからいらないや…」ではなくて。
というわけで、このリズムを手っ取り早く体得するために、方法は『指で16拍を刻んでみる』などいろいろ考えられますが、ここでは簡易的に、
「ドラムの『ドッ・ドッ・カッ』に合わせて言葉を口ずさんでみる」という方法をおすすめします。
ドラムのフレーズは、さきほど上で書いたように(3+3+2) ×2 =16のリズムでできているので、この『ドッ・ドッ・カッ』にあわせて、
「3文字+3文字+2文字」の言葉を口ずさみ、自分も楽曲の中に参加することで、星野さんやバンドのグルーヴを体感しよう…という寸法です。
「メロン・すいか・もも」でも「おまえ・早く・寝ろ」でも「[ピー]・[ピー]・[ピー]」でもイケます。ラッパーになった気分でどうぞ!! 人のいないところでやろう!!
ちなみに、ドラムのフレーズはきちんと採譜するとこんな感じになっています。
「チッチッ」と鳴っているハイハットだけを見てみると、おなじみ、2分割した8ビートのリズムを叩いているので、
「リズムつかめない〜〜〜」という方はうすく鳴っているハイハットに耳のフォーカスを絞ってみてください。
(※追記、「ここまでの話がちょっとよくわからなかった」という方はコチラの冒頭も参照してみてください。これが今のところいちばんわかりやすいはず…)
変拍子? ポリリズム? アイドルソングのリズム分析 - グランマガザンえぞ屋さんはてな支店
というわけで"肌"の分析やダンスには16ビートの知識だけあればオッケーなのですが、前回さらにもうちょっとつっこんだところまで話をすすめていたので追補します。
"肌"とはそこまで関係ない話なので、スルーでも大丈夫です!
"肌"では、4拍子の1拍1拍を4等分していましたが、3等分した場合、このように👇
「4拍子でも3拍子でもある」という構造になります。
このように「公倍数/公約数によって、ふた通りの拍子が同時に存在している」状態のことをクロスリズムといいます。
DCPRG - PLAYMATE AT HANOI (1/2) - YouTube
(この曲たちがこの構造、3拍子でも4拍子でも聞けます。☝︎の曲はとくにわかりやすい、
ベースラインを、「タカタ・タッタ」と3拍で聞くか、「タカタタ・ッタタタ」と4拍で聞くかによって曲の聞こえ方がガラッと変わるはず。)
Kiwokuza - Waiting in Vain [Official Music Video] - YouTube
I Saw Three Ships - Jacob Collier - YouTube
前回、「『音の積みかさね方によっては(というか"肌"みたいに4分割世界で75%→75%→50%→と進んだばあい)、
上の3等分世界で作れる66.6...%→66.6...%→66.6...%→に近似してしまい、クロスリズム/ポリリズム的に聞こえてしまう』
…というようなことも、"肌"のリズムがむずかしく聞こえてしまう要因のひとつなのでは?」ということを書いたのですが、つめこみすぎてかなり煩雑になってしまっているので、ここであらためて補足しました。
(ここまでで余裕ある人向けのおまけ。
この音源、4/4拍子なんですけどドラムとベースが4分割、なのに歌メロが3分割なのでめちゃくちゃファンクとかヒップホップみたいなエグいことになって〼。MSCか??)
・まとめ→
16ビートで踊ろう!!! 以上!!
・5, Pair Dancer
この曲で取り上げたかったのはII-V(ツーファイブ)。
…という☝︎、「コードめっちゃ進行しとるやんウェ〜〜イ🙌」なコード進行のこと。
ベース(コード中の一番ひくい音)が、鍵盤5枚を等間隔で動きます。
コードネームだと
Dm7 → G7 (→ C)
これを使えば、楽曲のイニシアチブをどの音が握っているのかが即座にわかるようになっています(トリトヌスの不協和感をさらに強調する進行です)。
上の"Dm7 → G7"は、イニシアチブがC(ド)の音にあることを示してくれます。
このツーファイブを繋ぎまくるのが、常々ブログにでてきていたたビーバップという音楽です。この曲のA部、
Charlie Parker- Confirmation - YouTube
8小節のあいだに、5回ツーファイブ進行が出てきています。
このめまぐるしいコード進行の上で、いかに流麗にアドリブを取れるかが勝負をわける音楽なのですね。
Clifford Brown - Cherokee - YouTube
(そして注意! Dm7 - G7だけがツーファイブではありません!!
鍵盤5枚を等間隔で動いて、マイナーセブンスコードとセブンスコードが連結していればツーファイブです。
つまりEm7 - A7とかBφ(Bm7b5) - E7とかもツーファイブ。)
それで、さらに常々言っているように星野さんの曲もわりとツーファイブまみれで、アドリブバトルこそないものの、コード進行だけ見ていればかなりバップっぽいものも多いのです。が!!
ポップスでよく使われる「ツーファイブまみれ進行」というものも当然存在します。そもそも言や〜〜ジャズだってポップスだしね。
というわけでこれこそまさに、ブログ読者の方ならおなじみ『神崎カノン進行』です。
あとはアイマスの主題歌群とか…(サビ1:03~です)
【楽曲試聴】「Star!!」(歌:CINDERELLA PROJECT) - YouTube
そんなわけなので、チャンスとアイマスすきな星野さんがこのコード進行に『ハッピ〜〜〜』なイメージを抱いていたとしても何もふしぎではない…
こんな、『ばかのうた』の頃からは考えられないようなドストレートなラブソングには、まさにうってつけのコード進行であるともいえるでしょう。
その他『神崎カノン』曲はこんな感じ👇
星野源 - Family Song【MV & Trailer】/ Gen Hoshino - Family Song - YouTube
(サビ後ろ1:27~)
Hitotsudake Akiko Yano 1986 - YouTube
(サビ1:09~)
(サビ0:53~)
・0:02~
シンセで作られてるプチノイズが雨音っぽい、このレイヤードはJ-POP的な発想ではない。
・0:50~
「ここ、コレでは?」というくらいにハマって〼。星野さんもMOTHER好きだしね……
VaVa - 現実 Feelin' on my mind - YouTube
・1:04~
なんとしあわせな神崎カノン。「悪い人も 諦めて」って歌詞に笑ってしまうんだけど、実際その通り(タケモトピアノ)だと思います。
一体全体地球上の何人が予想してたのでしょうか、『ボケたふりしただけさ』とか歌ってた星野さんがこんな曲を惜しげも無く発表できる世界など…
・2:38~
ここは変拍子ではなく、ロールケーキ4分割世界から3分割世界に移って2拍3連になってるだけ。
初聴時からいままで、コレ↓にしか聞こえません。どことなくザッパヴァイブ
ざくろ(宅録ポップス) by M.Kitasono | M Kitasono | Free Listening on SoundCloud
・まとめ→
「こんなにノイズを前面に押し出したJ-POPとは」という趣きですね。
てっきりヒップホップに進むのかと思いきや、射程はまさかのフューチャーベースふくめたEDMだったとは…
完全に見誤っていました、そして己のリスナーとしての底の浅さを思い知った次第であります。来年も精進いたします…🙏
・6, Present
初聴時は『楕円形のホーンの横からボーカルが顔を覗かせている』イメージだったんだけど今ぜんぜんそんな風に聞こえない。なんでそう思ったんだ〜〜〜〜
ピアノの、ローインターバルリミット抵触ギリギリの音域を飛んでる感じが『スレスレ』感を演出していると思います。心配だわ…😭
音響がおもしろいだけではなく、
「ホーン(トランペット、サックス)にトロンボーンが加わるととたんにチャンスっぽくなるな…」ということをあらためて確認した1曲。別にそんなことないと思うが…
Chance The Rapper ft. Saba - Angels - YouTube
Chance the Rapper: Blessings (Reprise) - YouTube
あと星野さんの曲として、こんなに『マイナ〜〜〜』というダークな色彩が土台にセレクトされているのは珍しい…気がします。もっとしっかり応援しないと…
・2:47~
ここで明るい世界メジャー側へのII-Vが出てきて、一気に晴れた感じに。どっちつかずで微妙なグレーっぽい色調だったのが、一気に明度高い世界になりますね。
・2:51~
「りぃ〜〜いが」の部分、ここは平行短調(Cメジャー/Aマイナー世界でいうとAマイナーのほう)にトリトヌスをぶつけてるので、悲しくも力強い感じに。J-POPでよくあるやつです。
ここのボーカルの節回しはR&Bとかソウルでよく聴けるヤツですね。パッと曲例は出てこないけど、星野さんがラジオでかけた洋物のR&Bを聞けばすぐ見つかると思います。
・3:06~
ここの「ふぅる」も『ふ』がブルーノートかかっててめちゃくちゃかっこいいっス。『わかってる人』の節回しですネ〜〜〜
https://ja.wikipedia.org/wiki/ブルー・ノート・スケール
・まとめ→
おどろおどろしい曲だと思ってたけど、MUSICA読んでからだとちょっと聴き方も変わる、、けどやっぱ最後以外はおどろおどろしいヨ…
いつかのEテレの番組で「問題提起をしたら、『じゃあどうすればいいんだ?』というところまでを描きたい」って言ってたのを思い出しました。
紆余曲折あっても、最後はやっぱり明るく楽しく希望をもたせた終わりにしたい方なんですよねまじ推せる…再々放送しないかなアレ…(録画消しちゃったヨ〜〜😭)
・7, Dead Leaf
すばらしい〜〜〜〜ネオソウルだけどしっかり『日本の秋』になっているので大好きな曲です。ブルックリンとかムンバイの秋ではないのです。
・0:00~
ドライかつマットなドラムの音がいかにもなネオソウル。
個人的には『ハーモニーかリズムが極端にヨレてるのがネオソウル』って認識でいてしまう瞬間が多いのですが、フツーこっちが本道だよね…
(本道的なほう↓)
Raphael Saadiq - Be Here ft. D'Angelo - YouTube
(個人的な『ネオソウル』↓)
Ain't Givin Up On You Conya Doss - YouTube
Jeff Bradshaw - "All Time Love" (ft. Robert Glasper, Eric Roberson & Tweet) - YouTube
・0:11~
ポルタメントをガッツリ聞かせるコーラスワーク。エロい………😇
・0:37~
ココ!! ヒップホップぽいというかプログレっぽいというかなフレーズ。
もとのリズムは6/8=ロールケーキ2本、で1本1本それぞれを3分割だけど、ここで1本1本それぞれを6分割になっていて、ちょっとリズムを錯乱させにかかっています。
変拍子じゃないヨ!! 1曲とおして6/8=2拍子がずっとキープされてマス!!
・1:18~
ここも上と同じトリックです。聴きようによっちゃクロスの3拍子っぽく聞こえなくもないかもしれない…
・2:03~
ココCメジャー/Aマイナー的な見方でいうと、それまではCメジャー側に立ってたわけですが、
「き〜〜『み〜〜』」で急にAマイナーの側にトリトヌスぶつけるから、ベタなんだけど最高のマイナー的情感(せつなひ)がほわっと立ち上るわけなのです。
「やっとサビ来た〜〜」という解放感と昂揚感があるところに、勾配のキツいコードをぶつけることでエモーショナルを増幅させています。
(上の"Present"で書いたのと同じことです。コッチを先に書いてたので二重表現ライクな感じになってしまてますが)
・2:27~
そしてそのコードが、星野さんがめちゃくちゃ厳重に取り扱っている『愛』という単語にぶつけられるので優勝…。それ以外の言葉がありましょうかいやない!!!!
・2:42~
ここからの7thコード連結がすげえ「洋楽ぽい」というかスモーキー。星野さんのR&B的な体幹の強さが感じられるハーモニー運びです
・2:54~
Oヘンリーの『最後の一葉』っぽいけどなぜここでこれが出てくるのだ、『命をつなぐ』ということなのか…?
・まとめ→
溢れ出る90'sネオソウル感。
"Snow Men"は完全に『平歌ネオソウル+サビJ-POP』だったけど、この曲は一曲通してネオソウルなので「Yellow Dancer以後の世界じゃな…」としんみりした気分に。
この曲と"サピエンス"が好きすぎるので(もちろんそれ以外も好きでスが)、このアルバム的な世界を推し進めるならもっとガシガシいろんな人とコラボしてほしいなと思いました。
(アルバムのトータル)プロデューサーとしての才能もヤバい人だから可能性はあんましナイと思うけど、これまでのアルバムの流れの脇道な感じで、全曲誰かとコラボしてるミニアルバムとかもちょっと聞いてみたい気もします。
ネオソウルとかヒップホップとかフューチャーベースとか、いろんなジャンルが入ってるやつ。まあまあまあ言うだけならタダだし!!(笑)
(「今回ラッパーとのコラボもあるかな」と思ったんですけどなかったですねーーー。
するなら誰なんでしょうね、常々ラヴコールを送っているライムスかいまや完全にコネクトできそうなぷんぺえ氏か…)
・8, KIDS
こんなシンセソロ入ってたっけ? と思ったけどしっかり新録。
ふいに「そういえばギタリストだもんねこの人…」という気分になってしまいますが、曲をよくよく聴いてみると、鍵盤じゃなくてギターで作ってるヴァイブが立ち上ってきます。いやしかしアコギ本当にうまい…(SAKEROCKの星野源やぞ…😡)
・0:56~
サビの歌詞が好きです、ブーチボーイズ(ブーチボーイズ)の70~80年代の曲にこんな歌詞の曲があったはず…「歯をみがいて、電話をかけて、買い物に行って…」という
・1:18~
発明だろこれは…『ギターソロがチューニング』
・2:35~
星野さんとおなじく、ペンタトニックを軸としたアドリブの組み立て方にほっこり☺️
モノシンセの響きから、ある種のゴスペル的なヴァイブを強く感じます。星野さんぜったいこゆの好きだヨ〜〜
Cory Henry - "NaaNaaNaa" Live @ TSFJAZZ - YouTube
Snarky Puppy - Thing of Gold (groundUP) - YouTube
・まとめ→
リミックスというかなんというか『既存曲にそのまま新しいパートをかぶせる』っていうのが、いやビートルズもやっとるわそういえば…
小林さんのソロがヒョロヒョロしてて可愛くて大好きです、常時そうだけど神がかり的ディレクション。一体何を食べればこんなに適材適所的なミュージシャン運びができるのか!!! 次号につづく!!
・9, Contineus
はじめからおわりまでゴリッゴリのペンタ曲。
ペンタトニックとは、めちゃカンタンにゆーと『ドレミファソラシド』から、
4番目のファと7番目のシの音を落とした音階です。だからヨナ抜き音階ともいう。
これ☝️はドがイニシアチブを握っている明るいペンタですが、
ピアノの黒鍵だけをファ#から弾くと、ファ#がイニシアチブを握っている明るいペンタ(F#メジャーペンタトニック)が現れます。
よく言われる「黒鍵だけを弾くと曲っぽくなるよ」というのは、こういう理屈からくるものなのDESU。
『星野源っぽい音階』って言われたらまーーーーずコレのことなのでぜひ覚えてみてkづぁい。「ください」!!!
(実を言うとGet a Feelがコレ☝️、F#メジャーペンタ、すなわち『黒鍵だけで』基本はできています)
そしてペンタを使用した曲はこんな感じ…↓
イエロー・マジック・オーケストラ - ファイアークラッカー (1978) - YouTube
Ryuichi Sakamoto- 'Merry Christmas Mr Lawrence' - YouTube
SAKEROCK / Emerald Music [Music Video & Best Album Trailer] サケロック / エメラルドミュージック - YouTube
演歌やスコットランド民謡などでもゴリゴリのペンタ使いを堪能できます。
今日はペンタトニックだけでも覚えて帰ってってください〜〜〜友達とかに自慢げに言いふらすのも自由ですので!! 推奨はしない!!
・0:36~
もろペンタなオブリガードを、トレモロきかせまくったストリングスが奏しています。
・0:52~
「ただ過ぎる」という日本語センスよ!!
・1:04~
「日々のゲーム」という日本語(略)!!!
・1:17~
はじめて聴いたとき「あっ!!」と思ったライン。「はらいそ」もそうだけどね〜〜〜モ〜にくいね〜〜〜😊
・1:44~
『消えたときから消えない』、「これどういう意味?」って聞かれたけど俺はめちゃくちゃわかるぜ…
・1:49~
「この力は誰も邪魔できなかった」というフレーズ、『ポップスター星野源の力強さ』と『厨二感』がぜっつみょうなバランスでブレンドされていて好きデス
・2:13~
ここ、聴くたびにむささびが「むっ!!!!」と飛んでいる姿が脳裏に浮かんでかわいくないすか(なんで???)
Happy End / はっぴいえんど - Kurayamizaka Musasabi Henge / 暗闇坂むささび変化 - YouTube
・2:36~
Dメロがまたいいんだな…(山下清)
『韻固いのにリリカル』という作詞のおてほんのようなライン。
すっげーーわかりづらいんですけど、「草木『は葉』を伸ばし」の箇所、ここもコードがマイナー側へのトリトヌスしかけてるので「『グッ…』とこみ上げる感」あります。
・2:48~
「痛み『さえ』 向かい合った」という日本語が刺激的で聴くたびに「アァ〜〜〜」という気になります。好きだ……(告白)
・まとめ→
単なるシングルのカップリングというよりも、むしろ『SUN~Family Song(ディスコ・ソウル)期星野源』の代表曲と言ってもよいのではないだろうかという1曲。それしか言ってないけどめちゃくちゃ好きです。
とはいえ1家に1枚的な"恋"に入ってよかった…。日本の音楽ファンであれば必聴。
これを聴いて「もう細野さんも大丈夫だな…」と思っていたら、本当に「未来をよろしく」を仰られていたようで泣けました。細野さんもおげんさんも長生きして………
あと前回言いそびれたの、サビ後ろの「地平、線の」とかのソラド、ソラドってメロディは
Jackson 5 - Never Can Say Goodbye - YouTube
コレのオマージュのような。R&B定番のよくあるメロディだけど、Continuesって曲で"Never Can Say Goodbye"って曲が引用されてると思うとなんかすげえよくないですか!!!
・10, サピエンス
「星野源の自宅にはウーリツァーがある」という事実を白日のもとに晒したという意味で偉大な…冗談です!!(笑)
Ujico*さんの唸りまくるシンベと、豊田さんのドラムン的な高速アプローチ(Aメロのゴー&ストップがDAWで切り貼りしたみたい)がピッカンピッカンに光りまくっている一曲。
『星野源っぽさ』と『星野源っぽくなさ』が芸術的なバランスで均衡しており、Ujico*さんやFuture Bass的なサウンドに馴染みがないJ-POPリスナーも余裕で楽しめるというのが「さっすがァ〜〜〜」な点ですね。さっすがァ〜〜〜!!!!(何様💢💢💢)
この曲も『Aメロがマイナー側に重力を置いていて、サビでメジャー側に傾く』というアプローチが取られています。
これから星野さんの曲を聴くときは、メジャー側のトリトヌスV7と、マイナー側のトリトヌスIII7、bVIº 7、どちらがより強調されているかに着目してみると面白いとおもいます。
星野さんの曲に限ったことじゃないけどね!! 前回みたいな「メジャー? マイナー? どっち?」って曲はコードとメロディとって見比べてみてください!
・0:00~
"アイデア"もそうだけど、ノイズが入りまくっている宅録パートとノイズのないスタジオパートのスイッチングがめちゃんこ面白いスね。洋物のフューチャーR&Bみたい。
・0:20~
メロディ「揺らした」と「ベースを」の部分で、マイナーへのトリトヌスをもつコードが鳴らされており、Aメロの陰鬱とした雰囲気を決定づけています。
・1:17~
この(トニック)ディミニッシュが泥臭くないのがすごい、エレクトリックで洗練されたアレンジが、このコードの泥臭さというかドギツさをうまいこと中和していると思います。
(ディミニッシュは自習!! ポピュラー和声をちょーーっと進めば出てくるとおもいます4)
・1:24~
「いつまでも間違ったまま」、なんて正直な歌詞なのだろうか!!!
このサビの歌詞ぜんぶすごいと思います、「ふざけた悲しみ」って日本語とか「やめない意味はいつの日も寂しさだ」って歌ってる曲が大手企業のCMソングだったりとか、諸々すげ〜〜〜よこの人…🙏
・2:51~
この曲でいちばん震えたのはココ、最後のサビの♭III。この最後のサビにしか登場しないコードです。
このコードも、出どころは『ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド』世界(同主短調といいます)。
ふつうのドレミファソラシドがポジティブなら、こちらはネガティブな世界です。
それまではポジティブな世界にいたはずなのに、一瞬だけネガティブな世界に連れて行かれることで、これまでにない冷ややかなサウンドに聴き手は包まれることになります。
そんなサプライズなコードが、最後のサビでのみ登場するというギミックですよ!! ふつうならこれ1番のサビでも2番のサビでも最後のサビでも使っちゃいますよコレ!!
この情緒のコントロールが、「さすが叩き上げで音楽やってないな…」という星野さんの体幹のブレなさ加減&力強さを感じさせます。
(そして余談ですが、フルよりも先にCMカット版を聴いていたので「1番のサビでも2番のサビでもあの♭III出てくるんだろうな〜」と思い込んでいたんですけど、CD聞いたらこんな👆仕掛けになっていたのでびっくりしました。
0:29の最後の最後のところが♭IIIデス)
・まとめ→
ネクスト"アイデア"として、5000000000点の回答を叩き出していると思います。ホント、新曲出すたびによくなっていくアーティストがチャートのトップにいてくれてありがたい限りですヨ…
そしてCM版を聴いて「Ujico*さんがシンセ組んでるのかな?」と思ってたんですけど別にそんなことはなく、『ベースプレイヤーに専念させる』という星野神(しん)のディレクションたるや。ヤバすぎません…???
STUTSさんもそうだけどトラックメイカー呼んでプレイヤーに専念させるってすごい贅沢&ディレクションセンス!!! この曲もガッッッッチリハマってるもんね!!! 「予想を超えてきた」という星野さんの驚きが手に取るように伝わってきます。
・11, アイデア
いやしかし"アイデア"と"ドラえもん"同年リリースとか信じられねェ……
リリース当時も書いたとおり、『いままでの星野源』と 『これからの星野源』の姿、曲に乗っているそのバランスがメチャクチャ妙だと思います。
ドメスティックもインポートもチャート内もチャート外も、もれなく「好きなものは好き」という態度で聴き倒している人だからこその編曲/ディレクションでしょう。
前回『星野源フォロワー』とか書いちゃったけど、至極当たり前ながらこりゃホント生半可な気持ちではフォロワーにはなれないっスね…。
星野さんのセンスを食い尽くすだけでも大変なのに、そこに星野さんがレコメンドする細野さん周縁とかR&Bとかヒップホップとかアニソンとかもろもろ…いや…ホントがんばってね…(オメーもがんばれよ)
・0:00~
ペンタトニック全開のイントロ。星野源っぽい。
1番も歌詞サウンドふくめ、これまでの総集編みたいな内容。
・1:26~
そしてめちゃくちゃ衝撃的だった2番。リズムの『間』をここまでガッツリ聴かせるアレンジは初では?
低音貧乏性(低音が出ていれば出ているほどうれしい人種)なのでキックが強くてうれしい。歌詞がめちゃくちゃ内省的。いずれも洋モノのR&B/ポップスみたい。
・1:48~
リリシズムのかけらもない歌詞がはびこっているJ-POP界において(だからなんなのだというわけでもないが)、こんなに美しく平易な言葉で醜すぎる現状を描ける人がいるのは、500000000回目ですけどやっぱりすごいことだと思うんですよ。
後続のアーティストたちのためにも、『星野源はなるべくしてこうなったんだ』と信じたいですね。聴けば聴くほどに、この数秒に閉じ込められた重みに圧倒されます。
・2:18~
リバーブもリリースもまったくないパーカッシブなシンセパッドと、ポルタメントとグリッサンドを多用しまくるストリングスのこの使い方よ!! 天才か!!!
・2:40~
ふつうはこんなこと考えつかない。すさまじいアイデア量。
・4:22~
いままで気がまわらなかったけどこの弦5度? 4度積み?
デモ段階からのこだわりがありそうなセクションです。日本っぽい。
・まとめ→
同じこと無限に言うようだがドラえもんとアイデアとアルバムが同年リリースとか何だ?!?!?! 天才か!?!?!? 天才じゃん!!
当時「才能ないよ」とか言ってた人もいまごろ地ベタに額こすりつけてるでしょうて! こんなに大きく育ちました!!(顔が見える野菜)
後生なので長生きしてくださいほんとに、BTSとかジャスティンとかヴァンダイクとかケンドリックあたりと同じステージに立つまで死なさないからな俺は!! なあお源!!!
(ということ👆を年内に書いといて、そして正月に『アイデア』リリース時のMUSICAのインタビュー読んだんスけど、
1年間だいぶ遠回しに書いてきたことを星野さんはすっっっげえ実直にストレートにしゃべってたので「えっそんなハッキリ言う!?」とびっくりでした。インタビューとか追わなくなって久しいのでなおのことびっくり。
そしてやっぱり『曲だけ聴いて分析』もいいけど『インタビューにもしっかり当たって分析』のほうが面白いことできそうだなと思いました、
というか星野さん以外の記事においてもみなさんが俺に期待してるのってきっと基本コレですよね、TABOOまわりしかり…
本年いろいろ検討しまス。というかここまでで『タダで好き勝手書きまくる』のは一通りやった気がしているので、今は『しかるべきところにお金を払って(インタビュー雑誌代とか)キッチリしたものを書きたい』という気持ちが強いです。
もちろん、トロいんで今すぐに何もかも変えられるほどフットワーク軽くないんスけどね!!)
・12, Family Song
ヤバい!! 紅白見れない!! 急がねえと!!
この曲で取り上げたかったのは『パラレルコード』。コレもいわゆる『胸キュン』的なコードです。
サビ1:30~(アルバムだと1:28~)の「遠い場所も〜『〜』」の部分、ちょっとフワッとしたようなサウンドがしますよね。
これも『ドレミファソラシド』世界から一瞬だけはみ出てみることで、聴き手にサプライズ感を与える技法です。
何がどうなっているのかというと、
Em7 - E♭m7 - Dm7 →
こうなっているわけで、原型、というかもともとのコード進行ではおそらく
Em7 - Dm7 →
だけになっていて、間に挟まっていたE♭m7はなかったのですが、この間に半音を差し込むことで、
エモーショナルが生まれます。
ディグリーだと
VIm7 → ♭VIm7 → Vm7 →
ですね。♭VIm7はこの用途以外ではほぼ使われない、イレギュラーなコード。
イレギュラーなものがレギュラーなものの中に一瞬だけ混じることで、それまでになかった感情や色彩表現があらわれるのです。
ちなみに、このコード進行は
星野源 - Crazy Crazy【MV & Trailer】/ Gen Hoshino - Crazy Crazy - YouTube
4:28~の「頬を染め(ンデデデ〜〜〜ン)」の部分でも使われています。
いままで「Crazy Crazyのあそこめっちゃ良くない?」と言ってきた5人のうちの5人がココのことを指していたので、めちゃくちゃ印象的なポイントなんだろうなあと思います。俺も好きです。
でもFamily Songでも使われてるからね!!
・まとめ→
この曲で、ひとまずは『ディスコ・ソウル源』期は終了ということになるんスかね。J-POPとソウルを融合させることで、何かこう第三の世界が見えるような…
半音で駆け降りてくサビの弦とかメチャヤバ。ポップなのにオルタナティヴJ-POPすぎる。これを作るのは相当大変だと思う…来年は休んで…
・13, Nothing
好き…
・0:11~
このギターの入り方以上にエロいのってあるか…?
・0:25~
イントロと歌中でコード進行変えてるのが『J-POPっぽさ』の一因でしょうか、星野源がアメリカ人だったらぜったい同じコード使ってる(??)
・1:09~
サビはJust The...進行。「時間『よ』」のところ、メロは「ド」だけどIII7のオルタードテンションb13thになってるのが鬼エモ。
そして「呆れた本当さ」、残酷な歌詞だけどメロディにのるとすごくあったかい感じになるの、めちゃくちゃ音楽の魔法。
・まとめ→
星野さんもずっと長らく『日本人のR&B』を探し求めてきたと思うんですけど、これ!!! この曲がそれでしょ!!
この非情さと裏返しのぬくもり、このダブスタ感が究極に日本人っぽい。あと裸じゃないのが、USとかKみたいに『全裸のR&B』じゃなくて『着衣のR&B』感あるのがソレっぽい。とにかくすごい。すごくいい曲。着衣も全裸もみんな愛しい…
(※追記、疲れてるから許してあげて…)
・14, Hello Song
さすがさすがさすが、溜めてただけのことはありますわ…初出、「えっ『恋』に入らんの?」と思ったから3年くらい前? えっ恋って3年前なの? ヤバくねえ? 早くねえ? もう来年?
最終的に「めちゃくちゃいい曲がめちゃくちゃいい位置に落ち着いた」というわけで、このへんのディレクションも圧巻でス…
ほんとは「さて、これまで学習してきたことをすべて生かして、一曲まるまるをアナライズしてみましょう!」ってやるつもりだったんですけどコレに加えソレやると完全に死むので、あとのことはみなさま一人一人におまかせしようと思います!!(これぞブン投げ)
ポピュラー和声、そうだな中等科序盤くらいまでの知識があればサクサクいけるはずなので、アナライズ自体はそこまで難しい曲じゃないと思います。演奏は大変そうだけど…
(※、こんかい採譜&聴取できるだけの余力がなかったので、細かいところは某大手コード掲載サイトのご厄介になろうと思ってあらためて見てみたんですが、
随所随所随所に「あれれ~~~?(CV. 高山みなみ)」な表記があったり、ビギナーさんが100%そのままを信じきってしまうのはちょっとあれれ~? だなと思いました。
かと言って「じゃあウチが100パー合ってるか」って言われたらまったくそうじゃないんですが…😇
楽理を勉強するメリットは、楽曲を分析できるようになるのに加え『耳コピのスピードがメチャメチャ速くなる』というところにもあります。
楽理を習得した状態で耳を鍛えれば、簡単なコード進行なら楽器使わずとも一瞬で聴取できるようになりますし、一瞬では聞き取れなくても「このコードが来たあとだからたぶんコレだろう」という予測も簡単に立てられるようになります。
星野さんのコード進行は、その予測をビミョ~~に裏切ってくるのがおもしろいのでぜひ!! セオリーを勉強してみてください!!)
・0:00~
たぶんコレディミニッシュの展開だと思う。もうやってると思うけど誰かコピーして…
メチャメチャおもしろいイントロ。どういう流れでこうなったのか知りたいデス
・0:04~
このクラップは裏拍!! ロール2等分した、2コ目のほう!!
みんなでリズム強者になろう!!
・0:21~
こんなこと歌っても何も不思議じゃないくらいビッグになったね…。泣いちゃうわ…
・0:28~
このフレーズ、なんでもない人には『お前はなんでもないんだ』って当然のように突きつけられる時代になってしまったから、こうやって救ってくれる人がいてくれてよかったなって本当に思いました。作文、、、
・0:35~
「生きてることを描くのと死ぬことを描くのは同義」という星野さんの信条に心から同意します、エロいのもね…
ここのIII7もオルタードもちなのがイイ!! ジャズィ〜〜〜
(「テンションノート」という、ジャズっぽくなる音がコードに付与されているのです。Cメジャー世界でいうと、E7のときにソとドを鳴らすカンジです)
・1:43~
おだやか…(一瞬音圧で髪飾りが揺れたのかと思った、だとしたらどんだけの轟音なんだ)
・1:58~
この曲にこの歌詞をねじ込んでるのがさーーーめっちゃズルいよね!!! 泣いたもんねコレは!!
・2:34~
ここからのソロ回しがめちゃくちゃエンディング感。長岡さんのカントリーリックがバップフレーズっぽかったり、音楽的にはほんと混血、俺もフィジカルだけの話じゃなくて『文化的な混血』の状態が最強だって信じてるから…
・3:34~
今あなたに会えてよかった!!
・まとめ→
めたもるセブンのコメント欄にある『好むと好まざるにかかわらず次のオリンピックが来てしまう』という言葉を思い出し、夜電波の最終回を思い出し、未来のことはどうしたって分からないのだから、今だけと一生懸命闘おうと思いました。だってモ〜〜〜勝ちたかったらコレしかねーんだもん!
・というわけでぜんぶまとめ→
いかがでしたでしょうか、書きたいことは山ほどありますがとりあえずもう書きません! 疲れたので!!(笑)
「俺と源のエターナルだから………」と思いながら好きなように書き殴っていた当初の"ドラえもん"回がもはや夢のようですね。ずいぶん遠くに来たもんだよ…
星野さんとみなさまに、心よりリスペクト申し上げます。SNS全盛時代に「こんなに長いもの食っちゃろう」という気骨のある方がたくさんいてくださって大変ありがたい限りであります。これからも買い支えます…🙏
とにもかくにも言いたいのは、『音楽の内側にも目をむけてほしい』と、もうそれだけです。
この1年で、おそらく音楽理論ビギナーのみなさまに書けるであろうことはほぼすべて書ききりました。あとは皆さんがここを、あるいは全く別の何かを入り口として、一歩踏み出すだけです。
1年を通じて、あるいは遠く近くの未来に、読んでくださったみなさまの感性をアップデートするお手伝いが、みなさまの作曲力を向上させるお手伝いが、みなさんに堂々たる変態である星野さんのオルタナティブポップさをすこしでも伝えられることができたのであれば、それに代わる喜びはありません。
いつかみなさんが、みなさん自身の言葉や視点で、好きな曲、星野さんの楽曲群をほめちぎっていただける日を楽しみにしております。
とか書いてると「死ぬのか俺???」という雰囲気ですが、ここまでの分量のものをここまでのペースで書き続けるのは2018年がギリ最後かなという感じなので、もちろん2019年になったらパタッとやらなくなるってこともまあまずナイだろうけど…
「えええまだもっとやってよ!!」という方はもうあとはご自分でやってください!!!(笑) このブログだって「自分が読みたいモンが読みてえ」つって始めたんだもん!! 「やっぱ自分じゃない人に書いてほしいな…」とはいつも思うけどさ!!(笑)
今後は…そうだな、星野さんに「共演したい」って言ってもらえるようなラッパーになります!! ウソです半分だけね!! この1年で充分元気になったんで、そろそろフロアに帰ります。
これからは別アプローチも使いながら、推しと担当をさらなるスターダムにのし上げるために努力しようと思います! 笑顔で会いましょそんではまた!!
最後までありがとうございました、一緒にがんばりましょう!!
<勝手に関連記事のコ〜〜〜〜〜ナ〜〜〜〜>
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『ジャズ星野源』こと…(略)
もう聴いていただけましたか? "エレタメモア"というネオソウルチューンのめちゃくちゃかっこいいMVがドロップされたのでぜひ。
POP VIRUSがオモテなら101はウラな2018年のJ-POPシーンでした。星野さんが好きならオーニ先輩どこかはぜったいひっかかるはずなのでぜひ聴いてみてくださいね〜〜〜〜〜🙇
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浜本談子 (@odoroktamegoro) | Twitter