前回記事のこちらに、大変ありがたいことに予想を大幅に上回る反響をいただき感謝感激思い思われ
雨あられ、土下座15秒です…🙇
「
スパンクス特需!!」というわけで今回は
スパンクハッピー特集セカンドをお送りいたします!! サンキュー志希ちゃん&フレちゃん!! 普通の恋のマキシ見つけたら買っちゃる!!!
そんなわけで
Spotifyでプレイリストを作ってみました、「興味はあるけど
スパンクハッピー入門ってまぢどうすればいいの。。。」な方ぜひぜひぜひご活用ください、ポップで聴きやすい曲(たぶん)を集めました!!
1期
スパンクスは、恋愛のキラキラした気持ちや瞬間をたくさん歌っているバンドです。切ない歌詞にポップなメロディ、凝ったアレンジが魅力!!
渋谷系シティポップ再評価の今(コレが
渋谷系なのかはさておき)、どんな音楽が好きでも、またどんなに音楽がキライでもとりあえず1度でいいので聴いてみてください! 以下に各曲のちょこっとした解説&聴きどころも書きましたので、よろしければ使ってください…
なんか…こういう『友達選曲のてづくりカセットテープ』みたいなのを世界中の人が聴けるってヤバいスね…スゲー未来…
・1st mini Album "MY NAME IS"
というわけで1枚目"MY NAME IS"と、第1期
スパンクハッピーについてのかんたんなご紹介です。
メンバーは3人、ボーカルはポップス/ジャズシンガーのハラミドリさん。
1期
スパンクスがほこる紅一点で、ライブのMCではいつも菊地さんにイジリ倒されていたとかいないとか。現在もライブなどを通して、あの特徴的な、キュートかつ力強い歌声を聴かせてくれています。
1, 天上の方の人々
まるで教会の賛美歌のような、とても荘厳で美しい曲です。やさしい歌詞と切ないメロディ、そして1期
スパンクハッピーらしい、ポップでありながら凝ったアレンジのマリ
アージュ(重婚)が胸に刺さります。
Aメロ0:23~の箇所に、ドリカムの"LOVE LOVE LOVE"(0:53~)や、
などで使われている、『マイナー
クリシェ』という作/編曲技法が使われていて、この切ないメロディをハーモニーがきれいに飾り立てています。
また1:50~の、ハラさんの歌に今堀さんの泣きギターが絡む展開も「マヂ泣き…😭」となっていて、1秒も聞き逃せない力の入ったオープニングチューンとなっています。最後の
街が忘れなかった 夢を叶えますように
という歌詞がめっっっちゃんこ好きです。純なきもち…
(
Spotifyだとタイトルが『上の方の人々』になってますが、そんな雑っぺータイトルではありません!! 『上の方の人々』、日大とか大企業の歌か…?)
2, 走り泣く乙女(バンドタイプ)
うって変わって勢いのあるこちらは、1期スパンクスの看板曲でありデビュー曲。作曲は河野さん担当。
これから菊地さんの曲でずーーーーっと主役をはり続ける『メルヘンチックかつだいぶ精神的に不安定な女の子』像が作詞家デビュー盤ですでに完成しています。
パパ ママ どうしよう
あなたの愛娘はまたもや どうすればうまくゆくかわからない
俺もわからん…
当時作られたMVは、今見てみると(主に菊地さんのせいで)「マジか!!!」な仕上がりとなっているため要チェキラーである!!
ちなみにこの曲アルバム版とシングル版でアレンジが異なり、アルバム版のこちらでは生バンドによる勢いのあるイケイケな演奏が聴け、シングル版(ニコニコのがソレです)では河野さんとハラさんによるクソカワな「チュッチュッチュッ~~~」コーラス(0:49~)が聴けるため、ひっっっじょうに甲乙つけがたいハイレベルな闘いとなっています。両方とも必聴!!
小津安二郎の映画から借用されたとおぼしきタイトルのこちらは、失恋のあとに迎える夜明けの、はじまりの予感を濃厚に感じさせる一曲。
サビの歌詞が1番も2番もすべて好きなのですが、
「おはよう おはよう」
光をほおばって 傷だらけの地球が回り出す
「おはよう おはよう」
見たこともない涙
生まれ変わりかけのあたしたち
このパートはどの表現も手垢がいっさい付いていない、まっさらなセンテンスてんこもりのように感じられて好きです。「光をほおばって」とか何!?!? 聞いたことナイ!!
詞がハラさん菊地さんで、作曲がハラさん河野さん。3人総力戦となって作り上げた楽曲のようです。
4, ノールームメイト
現在も『
菊地成孔ソロ』ライブで歌われることがある人気ナンバー。こちらも作曲は河野さん。
R&Bやジャズのような凝ったコード進行・転調が使われており、普通のポップスとはひと味違った、アダル
ティーなミドルバラード曲です。
バスタブで人魚が死んでる 台風が近い空
というライン、
aikoさんの「夏の星座にぶら下がって 上から花火を見下ろして」と並んで視覚的で美しい歌詞だな〜〜と思いながらいつも聴いてます。
バスタブから長い髪を垂らしながら死んでいる人魚の鱗の薄いオレンジと、バスルームの大きな窓から覗く灰色の雲の対比…(文章はイメージです)
そしてサビの、
叱られたあとに プールの底で泣いて
あなたが許してくれる夢が見たい
という歌詞美しすぎるんですけど!!! 『プールの底で泣いて』ってマジで何!?!? 天才か!?!?
5, 泣く方法
「泣く方法さえ忘れてしまうほどの失恋の痛み」を歌ったミドルバラードで、歌詞を読んでみると
松本隆さんの影響が色濃く出ているように感じられますが、菊地さんの歌詞もまた、男女という境界を飛び越え、いろいろな人々に愛されるような普遍性があると思います!!
イントロの、遊園地みたいなキュートなメロディがめちゃくちゃ好きで、これを聴くたびに「アルバム終わってまう〜〜〜〜…」の気持ちになります終わるな〜〜〜〜〜😭😭😭
というわけで"MY NAME IS"収録曲はここまで!! このタイトル、フリージャズ界の天才、
アルバートアイラーのファースト(セカンド)アルバムと同名であるという事実も見逃せません!
当アルバムにはほかにもレゲエ風味『くよくよする日』や
たぶん
ゴダールから引用してるノリノリ楽曲『ウィークエンド』など
バラエティ豊かな楽曲が収録されています。お気に召しましたらぜひアルバムにも手を伸ばしていただけると幸いです、というかここに貼ったぶんでほぼ全部ですので!! ハズレ曲ナシの名盤ぜひご一聴あれ!!
つづいてファーストアルバムの解説です!!
翌年1995年発表、満を持して発表されたファーストフルアルバム、であると同時にラストアルバム。どんだけ売れなかったの1期
スパンクス………
しかし!! 当時の売り上げと反比例するかのように内容は非常にポップ&ハイレベル!!
こちらのアルバムでは演奏陣に菊地さんのおともだち、あの
大友良英さんらグラウンドゼロ一派も加わっており、前作よりもさらにパワーアップしております。
発表から20年近く経った現在でも充分楽しめる、というより今もまだJ-POPでは使われないような先進的な技法や実験が行われたりしていて、むしろ今こそ聴くべきアルバムであると言えるでしょう!!
本作を聞かずして日本のポップスは語れまい!! そういうことにしましょうヤ!!!
6, ラブクランクイン
映画音楽ふうの豪華なオーケストラにのせて、めっちゃテキトーな映画女優のステキな恋物語が展開していきます。
あなたは監督? それとも
相手のスター? どっちでもいいや
よくねえ!!!!
ただしかし、サビの歌詞がすごく感動的で、
回るフィルムと 回る世界は 回る2人を 追いかけてくる
出会いも恋も キスも別れも これから始まる
いずれ別れてしまうことさえも分かっていながら恋してしまう、アッパラパー(死語)なだけではない、一瞬一瞬を全力で楽しもうとする素敵な女性であることがわかります。この歌詞が原さんの歌声で歌われるのがいーんスよね…スターになれ宮本フレデリカ太郎…
7, メドレー 破壊
最終
スパンクハッピーのボーカル、ODこと
小田朋美さんのバンドにも同様のトリックを使った楽曲がありマス(1:01~)。こちらもいい曲デス↓
8, 悲しむ物体
菊地さんがずっとこだわっている『ふたご座の二面性』が詞の世界に存分に現れています(『汚いけど美しい』、『優しいけど残酷』などなど)。
もう何処で 私が泣いても 振り返る人はいないでしょ
もう何処で 貴方が泣いても かわいそうな二人はいないでしょ
「かわいそうな二人はいないでしょ」というフレーズの俯瞰具合から、『悲しいはずのにどこか冷めてる』主人公像が見てとれ、なんというか、えー!! メッチャ共感できます!! もっとみんな1期
スパンクスの話しよ!!!😭
9, 森に行く方法
おそらく原さん菊地さんの共作であろう非常にメルヘンチックな歌詞と、非常にポップかつ洗練されたアレンジが合体し、信じられないほどの純真さやエモーショナルが音楽の中に閉じ込められている、まるでおもちゃ箱のような素敵な楽曲に仕上がっています。
2:31~、「時間が止まればいいの『に』」という箇所で鳴らされる"#IVm7(b5)"のコードがとても鮮やかで切なく、なんとも言えない、胸が張り裂けそうになる感情を聞き手に想起させます。
このコードは
ビーチボーイズの"God Only Knows"(0:31~)などでも使われているのですが、
本作はメロディの運び方や前後の展開なども含め、「クラシックス」と言われるそれらの曲と一切の遜色のない、とてもとても素晴らしい楽曲だといえるでしょう。つかこの曲自体もクラシック!! 何百回聴いてもグッときます!!
間奏で『グーチョキパーでなにつくろーのうた』(正式名称カモンセイ)が演奏されるところもめちゃカワ。
このアルバム後半のバラードが連続するとこ、まさに『感情の洪水』ってカンジなのでぜひぜひゲットして体感してください!!! エモーショナルの波にのまれろ!!!
10, Chocolate Folk Song
河野さん作曲、こちらの爽やかで明るいナンバーはなんと当時ロッテのCMソングに抜擢!!! にもかかわらずラストアルバムとはこれいかに、アッつかこれ「チョコレートフォーク」とかけたシャレ…?(今気付いた)
世界中の言葉で言う 「お願い微笑んでよ」
というサビの歌詞に込められた、当時30代の菊地さんの心情を想像していつも泣いてしまう…(
菊地成孔限界オタク)
いつも全力で、いつも悩んでいて、いつも立ち止まりたくて、でも救われたくて歩き続けるしかないという、とにかくなんと言えばいいのでしょう、そういう人にぜひ聴いてほしい曲/アルバムです!! きっと
スパンクハッピーはいつもあなたの味方!! 次ラスト!!
11, 夏の天才
「アレっなんかゼンゼン違うじゃん!?」と思われた方、大正解です!!
先ほども申し上げました通り、この"
FREAK SMILE"制作後の1997年に河野さんが脱退し、翌98年にハラさんも脱退します。
1人残った菊地さんが
電気屋で働いていた岩澤瞳さんという方をスカウトし、のちに伝説となる第2期をスタートさせるのですが、
Spotifyなど各種配信サイトでは2期は扱ってないのですべてスッ飛ばし、いきなり1995年の1期
スパンクハッピーから2018年の最終
スパンクハッピーへと23年ぶんワープしました!! 23年…ひとりの嬰児が社会人に…
紆余曲折あり復活した最終
スパンクハッピーは、ある意味でヒットチャートを狙った(比較的)健康的かつ鬼ポップな1期回帰的、ある意味で病み病み全開クソ不健康な2期回帰的な、ともかくこの20年間でさらに培ってきたポップセンスを爆発させる、『歌モノ/ポップ
菊地成孔』の総決算的活動になると思います。
また、新しい相方であるODさんは作詞作曲編曲歌演奏打ち込みができるドドドドドドドドド才人なので、ふたりの才能がぶつかりあう相乗効果で曲もどんどんとヤバくなっていくことが容易に想像/期待できます!! そうした才人ど
うしのコラボレーションの、最初の結果がこの『夏の天才』なのです!! ドン!!!
始動したばかりの新生
スパンクハッピーからも目が離せません、というわけでシンメトリー"11"曲終了です、最後までお疲れ様でした&ありがとうございました!!
いかがでしたでしょうか
スパンクハッピー。もし今回聞いて「う〜ん…」と思っても、またいつか思い出したときにチョロっと聞いていただければ嬉しいです、今日とはまた違う聞こえ方に変わっているかもしれませんし!!
また
スパンクスに限らず、原さん河野さん菊地さん小田さんのソロ&他グループ仕事はどれもすばらしいので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
すぽちふぁいでも聴ける『グッバイブルー』おすすめです! 小田さんのしなやかな歌声と感性がバリッバリに炸裂している名盤で、特に女性の方にオススメ…と言いたくなりますが当然もちろん男性の方にも鬼オススメです!!
今年の夏もみなさんがいい音楽と過ごせますようお祈りしております、それでは!!!
<勝手に(略)>
当然ながら3期(最終)
スパンクハッピーも特集しております。ほかのどこでも読めません!! こんなことやってんのウチだけです!!(笑)